2002 Fiscal Year Annual Research Report
マンガンポルフィリン造影剤による膵癌診断の可能性についての実験的研究
Project/Area Number |
13670927
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Research Institution | HAMAMATSU UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
竹原 康雄 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (70188217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪原 晴海 浜松医科大学, 医学部, 教授 (10187031)
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Keywords | magnetic resonance imaging / contrast media / metalloporphyrin / neoplasia / pancreas / pancreatic cancer / animal study / mice |
Research Abstract |
1年目の検討から、ヒト膵癌への分布はHOP-9Pのほうが有望と思われたので、2年目のin-vivo MRによる検討はHOP-9P行った。方法:ヒト膵癌細胞(panc-1)を側腹部皮下に移植することにより作製した担癌ヌードマウス8匹にHOP-9Pを0.1mmol/kg静脈内投与し、3テスラのMR装置を用いて、麻酔下に造影前後のT1強調画像(spin echo : TR(ms)/TE(ms)=600/14)を冠状断面で繰り返し撮像した。50mlの遠沈管に動物を入れ、頭部用コイル内に置き、造影剤投与前、投与後30分、投与後2時間、投与後24時間で(24時間後のみ横断像を加えた)撮像した。撮影終了後、麻酔薬の過量投与によりマウスを屠殺し、遠沈管にマウスを入れたまま、-20度にて1昼夜冷凍した後、24時間後のMRの横断面像に一致するようにスライスを作製、フォルマリン固定し、脱灰処理後HE染色を施し、MR画像と組織像を比較した。得られたMR画像上で、関心領域設定により、ファントーム(0.1mM硫酸銅水溶液)と腫瘍の信号強度を計測し、両者の信号強度比を計算した。結果:造影前の信号強度比は0.18±0.01(標準誤差)、30分後で0.21±0.01、2時間後で0.22±0.01、24時間後で0.23±0.01と、造影前に比して単調増加の有意な信号増強効果が得られた(それぞれp<0.05)。造影後2時間では腫瘍は辺縁部から信号増強され、24時間後で中央に増強が及んでゆくものが多かった。造影剤はviableな腫瘍組織のみならず、壊死組織巣にも集積していることが確認された。結論:HOP-9Pはヒト膵癌モデルに集積し、正常膵との組織内濃度比は2時間後に最高となる。また、腫瘍の信号に関しては造影剤投与後24時間後まで増強効果が持続した。本造影剤はヒト膵癌のMR診断に有用である可能性が示された。
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