2002 Fiscal Year Annual Research Report
拡散テンソル磁気共鳴画像法において脳内水分子拡散異方性に寄与する要因について
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13670930
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
井藤 隆太 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (80263052)
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Keywords | 脳拡散テンソル磁気共鳴画像 / 脳灰白質異方性 / 動物実験(rat) |
Research Abstract |
脳組織内の水分拡散を非侵襲的に測定する拡散テンソル(Diffusion-Tensor)磁気共鳴(MR画像法は、脳組織内の異方性(水分子の拡散に一定の方向性が諦められるもの)の指標であるFractional Anisotropy(FA)を測定し脳組織構築を定量的に評価可能と考えられている。しかし、脳内のどのような構造がこの異方性に寄与しているかについてはすべてが明確になっている訳ではない。本研究は脳内異方性に寄与する因子ついて明らかにしようとするものである。 研究代表者らの以前の研究により明らかにされていた、成体mouseの脳皮質においでは認められない異方性が胎生期終盤から生後1週までは認められる事実に着目して、これが成長に伴う脳皮質のどのような組織学的な構築の変化に伴うものかを調べた。 1.生後1日、3日、14日のratの脳を取り出し、それらの片脳半球の組織標本を作成し脳灰白質内の構造の変化、radial glia fiberの減少と神経細胞のdendriteの繁茂していく変化をGFAP及びVimentinを用いた免疫組織染色やLucifer Yellow細胞内染色により描出したが、これらの変化を定量的に表現するための方法を模索している。 2.脳3D拡散テンソルMR画像撮像のため、実験用超伝導2.0テスラMRスペクトロメーターの現有の撮像用基本プログラムに3D-diffusionMR画像の撮像を可能にする変更を行い、上記の残った脳半球の映像を行った。94umの解像度(12mm/128)が得られているが1で得られた構造と比較するためにさらに高分解能が必要と考えられ、現座右47um(12mm/256)の分解能実現とFA計算のために必要な信号強度を得るために撮像法を改良している。 1,2の手法を確立させた上で、標本の日齢間隔をせばめると共に、個体数を確保し解析に移る予定である。
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