2001 Fiscal Year Annual Research Report
Tc-99m製剤とスペクトル解析を用いた簡便で非侵襲的な脳血流測定法の開発
Project/Area Number |
13670937
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村瀬 研也 大阪大学, 医学部, 教授 (50157773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 昌康 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (20192346)
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Keywords | 脳血流量 / Tc-99m製剤 / パトラックプロット / スペクトル解析 / PET |
Research Abstract |
脳血流量の定量は、脳血管障害患者の治療方針の決定や予後の予測に重要である。また、臨床現場では簡便で非侵襲的な定量法が望まれる。放射性同位元素を用いた脳血流量の測定には、いくつかの方法が試みられている。このうち、Tc-99m製剤は緊急時にも容易に使用できる利点がある。現在、Tc-99m製剤を用いた脳血流測定法としてパトラックプロットを用いた方法が普及している。この方法では、あらかじめパトラックプロットを用いて算出した脳血流指標とXe-133吸入法などで測定した脳血流量との間の回帰式を求めておき、この回帰式と脳血流指標から脳血流量を算出する。しかし、パトラックプロットを用いて得られる脳血流指標は、脳血流量とトレーサの脳における初回循環摂取率との積に比例したものであり、必ずしも脳血流量に比例しないため、その信頼性に問題がある。一方、スペクトル解析は、対象とする臓器におけるトレーサの動態(応答)を自動的に種々の周波数成分に分解する方法であり、スペクトル解析で得られるスペクトルの総和は、理論的に対象とする臓器を灌流する血流量に比例する。したがって、スペクトル解析を用いると脳血流量に比例した指標を得ることができると考えられる。そこで、本研究の目的は、Tc-99m製剤とスペクトル解析を用いて、簡便で非侵襲的な脳血流測定法を開発することである。本年度は、スペクトル解析を用いた脳血流測定法のソフトウェアを完成させた。また、正常ボランティアを対象とした臨床応用を開始し、PET(Positron Emission Tomography)で測定した脳血流量とスペクトル解析で得られた脳血流指標を比較した結果、両者の間には良好な相関があることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Murase K, Fujioka H, Inoue T: "Reproducibility of the brain perfusion index for measuring cerebral blood flow with Tc-99m compounds"European Journal of Nuclear Medicine. 28(11). 1640-1646 (2001)
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[Publications] Murase K, Yamazaki Y, Kawakami K: "An anisotropic diffusion method for denoising dynamic susceptibility contrast-enhanced MRI"Physics in Medicine and Biology. 46(10). 2713-2723 (2001)
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[Publications] Murase K, Shinohara M, Yamazaki Y: "Accuracy of deconvolution analysis based on singular value decomposition for quantification of CBF"Physics in Medicine and Biology. 46(12). 3147-3160 (2001)
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[Publications] Takahashi Y, Murase K, Higashino H: "Receiver operating characteristic (ROC) analysis of images reconstructed by the iterative EH method"Annals of Nuclear Medicine. 15(6). 521-525 (2001)
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[Publications] Murase K, Yamazaki Y, Mochizuko T: "Renal uptake rate measurement of Tc-99m DMSA using spectral analysis"Nuclear Medicine Communications. (印刷中).
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[Publications] Kikuchi K, Murase K, Miki H: "Quantitative evaluation of mean transit time obtained with dynamic susceptibility MRI"American Journal of Roeutogonology. (印刷中).