2001 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴映像法,近赤外線分光法による脳循環のゆらぎの基礎的,臨床的研究
Project/Area Number |
13670940
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
神波 雅之 鳥取大学, 医学部・附属病院, 講師 (80271047)
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Keywords | 脳循環 / 磁気共鳴映像法 / 近赤外線分光法 / スペクトル解析 / 自律神経系 |
Research Abstract |
1 磁気共鳴映像法(MRI)による脳循環ゆらぎの研究 実験用動物(ラット)を対象として、気管内挿管、人工呼吸、イソフルレン麻酔(1.2%,1.8%,2.8%の3段階)の条件下にエコープラナー法によりMRIの撮像を行った。同時に動脈血圧、呼気二酸化炭素濃度、体動(呼吸運動)を測定、記録した。得られた画像および生理学的データよりスペクトル解析、コヒーレンス解析を行った。MRI信号強度の低周波数ゆらぎ(α0.03〜0.3Hz)成分は麻酔深度に伴って増加した。血圧、呼気二酸化炭素濃度には同周波数帯域にコヒーレントな成分は認められなかったMRI信号強度の低周波数ゆらぎと血庄変動からえられた交感神経活動指標(LF/HF)との間に相関が認められたが、平均血圧との相関は認められなかった。 2 近赤外線分光法(NIRS)による脳循環ゆらぎの研究 実験用動物(ラット)を対象として、気管内挿管、人工呼吸、アルファクロラロース持続静注麻酔下に種々の強度の電気刺激を行い、刺激前、中、後のNIRS測定を行った。同時に動脈血圧、呼気二酸化炭素濃度を測定、記録した。1と同様にデータ解析を行い、刺激前後のゆらぎ成分の変化を検討した。NIRSにおいても同様の低周波数ゆらぎ成分が観察され、deoxy-hemoglobinに比してoxy-hemoglobinにおいて顕著であった。低周波数ゆらぎには左右半球間の相互作用のほか、血圧変動の関与が認められ、刺激強度の上昇により増強が認められた。 これらの結果より、脳循環の低周波数ゆらぎには脳局所の神経活動および異なる脳部位問の相互作用に加え、血圧変動および交感神経活動に伴った血管運動の同期化が関与することが示唆された。本研究の成果の一部はthe 31st annual meeting of the Society for Neuroscience(San Diego, USA)において発表した。
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