2001 Fiscal Year Annual Research Report
SPECTにおけるトランスミッション法による減弱補正法の基礎的および臨床的研究
Project/Area Number |
13670952
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
冨口 静二 熊本大学, 医学部・附属病院, 講師 (20172182)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古嶋 昭博 熊本大学, アイソトープ総合センター, 助教授 (20161903)
|
Keywords | 吸収補正 / 散乱線補正 / 非対称ファンビームコリメータ / 201Tl心筋シンチグラフィ- |
Research Abstract |
吸収補正のトランスミッション法(TCT)を施行する目的で、広視野での撮像が可能な非対称ファンビーコリメータ(AsF コリメータ)と小さな面線源を開発し、ファントムおよび症例にてその吸収補正における有用性を検討し、また散乱線補正の有用性についても検討した。 撮像には東芝社製2検出器型ガンマカメラ(GCA7200)使用し、ファントムはanthropomorphic phantomを使用し、心筋部にTl-201を入れ、TCT線源にはTc-99mを使用した。症例はTl-201心筋シンチグラフィを対象とした。再構成はfiltered backprojection法を用い、吸収補正法にはChangの逐次近似法、散乱線補正にはtriple energy window(TEW)法を用いた。 ファントム実験では、心筋ファントムの下壁の吸収は吸収補正により補正され心筋全体のカウントは均一となった。また、散乱線補正を加えると定量性は向上し、心筋の正常部と欠損部のコントラストが向上した。症例では、正常例では、女性の前壁、男性の下壁の吸収によるカウントの低下は補正され、Tl-201の心筋分布における性差は消失した。疾患例の検討では、冠動脈疾患の診断能に関して右冠動脈および左回旋枝領域の特異度の向上を認めたものの、左前下行枝領域の特異度は低下する傾向を認めた。症例においても、散乱線補正により血流低下部のコントラストは向上した。 AsFコリメータを用いたTCT法は既設の2検出器型ガンマカメラで使用でき、右冠動脈や回旋枝領域の特異度を向上させ臨床的に有用と思われた。しかし、左前下降枝領域では、特異度が低下する傾向を認め,これを補正するためには、空間分解能の補正も必要と思われる。
|