2002 Fiscal Year Annual Research Report
肺癌の集学療法に占める標準的放射線療法の確立に関する臨床的・病理組織学的研究
Project/Area Number |
13670962
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Research Institution | Kitasato University School of Medicine |
Principal Investigator |
早川 和重 北里大学, 医学部, 教授 (70114189)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 由紀 北里大学, 医学部, 助手 (70276062)
西口 郁 北里大学, 医学部, 講師 (20198451)
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Keywords | 放射線治療 / 非小細胞肺癌 / 定位放射線照射 / 気管支腔内照射 / 呼吸同期 / 遅発性放射線反応 / 放射線感受性 |
Research Abstract |
1.スパイロメータを用いて呼吸モニターを行うことにより体幹部腫瘤に対して同一呼吸位相で放射線照射を行う体幹部走位放射線治療システムを開発した.健常者について本システムを用いて治療計画CTを行い、解剖学的構造物の移動誤差を確認した結果,いずれの部位でも2mm前後であった. 2.末梢型I期非小細胞肺癌19例19腫瘍,他の原発性肺癌のBoost照射など6例7部位,転移性肺腫瘍20例29部位の計55部位に対して本治療システムを用いた定位放射線照射を行った.治療効果は,原発性非小細胞肺癌で治療後3か月以上経過観察された19例中10例(53%)がCR,6例(32%)がPRで良好な腫瘍縮小効果が認められた.転移性肺癌でも3か月以上経過観察29部位のうち滑膜肉腫の2部位を除く27部位に縮小効果がみられた.末梢型I期非小細胞肺癌症例の治療後の観察期間は4から24か月(中央値15か月)で,肺への有害事象として一例にgrade2の肺臓炎が認められたが,他はいずれもgrade1以下であった.その他の治療後の重篤な有害事象は認められなかった. 3.^<192>Irを用いた気管支腔内照射を行った胸部X線写真陰性の扁平上皮癌11例13病巣(内視鏡的早期肺癌5例)を対象として,治療の初期効果と有害事象について分析した.照射法は原則として気管支腔内照射を先行し,外照射を併用した.腔内照射の線量は,気管支内径に応じて線源中心から5〜10mm(気管10mm,主気管支・中間幹・葉気管支7mm,区域支5mm)の点で5Gy/回とし,10〜25Gyの照射を行った.外照射線量は1日1回2Gyの単純分割照射で40Gyを目標とした.観察期間は最短10ヵ月〜最長46か月で,局所再発は2例に認められた.内視鏡的早期肺癌の5例には現在まで局所再発は認めらていない.また,臨床症状を呈する重篤な有害事象な認められていないが,治療部位の気菅支粘膜に易出血性変化や潰瘍形成を生じた症例が認められ,至適線量の慎重な検討が必要と考えられた.
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[Publications] Sakurai H, Hayakawa K, Niibe H, et al.: "Effect of hyperthermia combined with external radiation therapy in primary non-small cell lung cancer with direct bony invasion"Int J Hyperthermia. 18・5. 472-483 (2002)
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[Publications] 北野雅史, 西口 郁, 青木由紀, 早川和重, 他: "早期声門癌の照射期間と局所制御の関係-週6回法と5回法の比較-"日本医放会誌. 62・7. 366-369 (2002)
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[Publications] Inoue T, Hayakawa K, et al.: "Economic scale of utilization of radiation(III) : Medicine. Comparison between Japan and the U.S.A."Journal of Nuclear Science and Technology. 39・10. 1114-1119 (2002)
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[Publications] Hayakawa K, Inoue T, et al.: "Economic scale of utilization of radiation in Japan-Medical Field-"Proceedings of the Takasaki symposium on radiation application of natural polymers in Asia(JAERI-Conf 2002-003). 193-206 (2002)
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[Publications] Kitamoto Y, Hayakawa K, et al.: "Redevelopment of small cell lung cancer after a long disease-free period : a case report."Jpn J Clin Oncol. 32・1. 30-32 (2002)
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[Publications] 早川和重: "肺癌における放射線治療の新展開"呼吸. 22・2. 128-133 (2003)
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[Publications] 早川和重(分担): "大川智彦, 田中良明編, 癌・放射線療法2002"篠原出版新社. 615-628 (2002)