2001 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経疾患におけるシグマレセプター機能解析のためのインビボ核医学診断剤の開発
Project/Area Number |
13670972
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
大桃 善朗 大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (70183241)
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Keywords | シグマレセプター / 脳神経疾患 / 核医学診断 / 画像診断 / SPECT / 放射性医薬品 |
Research Abstract |
近年、脳虚血により引き起こされる遅延性神経細胞死とシグマレセプターの関連が注目されている。脳虚血時におけるシグマレセプター分布の変化をとらえることができれば、遅延性神経細胞死に至る部位の同定が可能となり、脳虚血性疾患の早期発見、治療方針の決定に役立つものと期待される。 本研究では、これまでに開発したシグマレセプター機能診断用放射性薬剤である[^<125>I]o-BON(o-BON)および、ラットを用いて作製した脳虚血モデルを用いて、脳虚血時におけるシグマレセプター分布の変化を、遅延性神経細胞死が確認される海馬領域を中心に観察した。脳虚血モデルとして、遅延性神経細胞死が確認されている4-血管結紮再灌流モデル(4-VOモデル)、および虚血側と正常側を同一個体で比較可能な中大脳動脈閉塞モデル(MCAOモデル)を用いた。これらのモデルでインビトロオートラジオグラムを作製し、虚血時におけるo-BONの集積量を画像評価した。 インビトロオートラジオグラム法により、海馬CA1領域におけるo-BONの集積量は、4-VOモデルでは虚血再灌流後遅延性細胞死が確認される以前に、Sham群と比べ有意な上昇が認められた。また、MCAOモデルでも海馬CA1領域におけるo-BONの集積量は、虚血再灌流2時間後で有意な上昇が確認できた。この結果は、インビトロで海馬CA1領域における虚血再灌流後早期にo-BON集積量が増加することを示しており、o-BONが、遅延性神経細胞死に至る以前に再生可能部位を描出し、画像診断の可能性をもつことを示唆している。
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