2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳神経疾患におけるシグマレセプター機能解析のためのインビボ核医学診断剤の開発
Project/Area Number |
13670972
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
大桃 善朗 大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (70183241)
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Keywords | シグマレセプター / 脳神経疾患 / 放射性医薬品 / 核医学診断 / 画像診断 / SPECT |
Research Abstract |
これまでに、シグマレセプターに高親和性と高選択性を有する放射性画像診断用薬剤として1-(2-iodophenylpropyl)-4-(3,4-dimethoxyphenethyl)piperazineを開発し、この化合物がシグマレセプターのシングルフォトンCT(SPECT)用核医学機能診断剤として優れた性質を持つことを示してきた。 以上の成果を踏まえて、本年度は、本化合物の基本的性質を保持した上、生体内におけるシグマレセプターへの選択性をより一層高めるなど、特にインビボでの性質に優れた新規化合物の探索を目指すこととし、上記化合物のピペラジン環にエチレン鎖を介して結合する3,4-dimethoxyphenyl基について、構造活性相関を考慮しながら、同基を置換した数種の新規化合物を合成した。 新規に合成した化合物は、標識標準リガンドとシグマレセプターを多く持つ脳細胞膜画分を用いたインビトロレセプター結合実験において、いずれも上記化合物の3倍から10倍の高いシグマレセプター結合活性を持つことを見出した。 さらに、新規化合物のインビボ体内動態について、実験動物を用いて検討した。新規化合物の中で特に、従来化合物の3,4-dimethoxyphenyl基を3,4-methylenedioxyphenyl基、もしくは、4-hydroxy-3-methoxyphenyl基に置換した化合物のインビボにおけるシグマレセプター選択性は良好であった。また、従来化合物の実験動物における脳内動態は、静注投与2時間後から徐々に脳外へ排泄されたのに対し、この2つの新規化合物は、投与24時間後においても脳内にとどまり安定にシグマレセプターに結合していることが観察された。 このようにこの2つの新規化合物は、シグマレセプターに対する核医学機能診断剤として、現化合物を上回る優れた性質を有するものと期待される。
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