精神神経疾患における前頭葉局所脳血流のダイナミクス―光トポグラフィを用いた検討―

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13670982
• Research Institution: Gunma University
• Principal Investigator: 福田 正人 群馬大学, 医学部, 助教授 (20221533)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 上原 徹 群馬大学, 医学部, 助手 (60303145) ; 井田 逸朗 群馬大学, 医学部, 講師 (50251103) ; 三國 雅彦 群馬大学, 医学部, 教授 (00125353)
• Keywords: 精神疾患 / 神経疾患 / 前頭葉 / 局所脳血流 / 近赤外線 / スペクトロスコピー / 光トポグラフィ / ダイナミクス

Research Abstract

2001年度(平成13年度)は、精神神経疾患患者の局所脳血液量のベッドサイド測定を行なうための準備作業として、以下のことを行なった。
(1)非侵襲的頭部酸素モニタ装置(光トポグラフィ装置)のセットアップ
数名の健常被験者を対象として、実際に光トポグラフィ装置を用い、プローブの装着方法や位置・検査条件・アーチファクト混入など、検査の具体的な実施についてのセットアップを行なった。
(2)脳機能賦活のための刺激方法・課題の決定
数名の健常被験者を対象として、脳機能賦活のために検査時におこなう刺激の種類や提示方法などをさまざまに変更した測定を行ない、実際の測定で採用する刺激方法や課題を決定した。刺激は、(1)運動課題(手指タッピング),(2)神経心理学的課題(語流暢・順唱・逆唱)が適当であることを確認し、その実際のパラメータを確定した。
(3)心理測定方法の決定
光トポグラフィ装置による測定と同時に行なう心理測定方法として、さまざまな精神疾患の精神症状評価尺度、人格特徴の評価尺度、測定時の不安や眠気の評価尺度などを用いることを確定した。
(4)データ解析方法の確立
得られたデータから意味のある情報を抽出するための解析方法を検討し、その結果にもとづいてソフトウェアを開発した。
(5)健常者における検査の施行
(1)〜(4)で得られた結果をもとに、健常者30名程度を対象とした手指タッピング課題遂行時の光トポグラフィ測定を行ない、興味深い結果を得た。
これらの結果は、第21回日本精神科診断学会(2001年10月富山)、第31回日本臨床神経生理学会学術大会(2001年11月東京)、第8回医用赤外線分光法研究会(2001年11月大阪)で発表済みで、第24回日本生物学的精神医学会(2002年4月埼玉)、Human Brain Mapping(2002年6月仙台)、World Psychiatric Association(2002年8月横浜)での発表を予定している。

Research Products

• [Publications] 福田正人, 上原徹, 伊藤誠, 須藤友博, 亀山正樹, 三國雅彦: "近赤外線スペクトロスコピーによる脳機能イメージング"臨床精神医学. 30. 937-951 (2001)
• [Publications] 福田正人, 上原徹, 中込和幸, 岩波明: "脳高次機能障害の精神生理学・神経生理学"現代医療. 33. 111-119 (2001)
• [Publications] Kasai K, Nakagome K, Iwanami A, Fukuda M: "Neuropsychiatry and the auditory selective attention process"Current Opinion in Psychiatry. 14. 219-225 (2001)
• [Publications] Ito M, Suto T, Uehara T, Ida I, Fukuda M, Mikuni M: "Cerebral Blood Volume Activation Pattern as Biological Substrate of Personality : Multichannel Near-Infrared Spectroscopy Study in Healthy Subjects""Proceeding of the 12th World Congress of International Society for Brain Electromagnetic Topography", Elsevier Science. (in press). (2002)
• [Publications] Suto T, Ito M, Uehara T, Ida I, Fukuda M, Mikuni M: "Temporal characteristics of cerebral blood volume change in motor and somotosensory cortex revealed by multichannel near-infrared spectroscopy""Proceeding of the 12th World Congress of International Society for Brain Electromagnetic Topography", Elsevier Science. (in press). (2002)