2002 Fiscal Year Annual Research Report
家族性ならびに弧発性アルツハイマー病における臨床神経病理学的研究
Project/Area Number |
13670995
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Research Institution | Fukui Medical University |
Principal Investigator |
杉本 貴人 福井医科大学, 医学部, 助手 (20334823)
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Keywords | Alzheimer's disease / Neurofibrillary pathology / Senile plaque / Hippocampus / Morphometry / Apolipoprotein E |
Research Abstract |
本研究は、家族性アルツハイマー病(AD)のアミロイド前駆体蛋白遺伝子変異(APP)6例とプレセニリン1遺伝子変異(PS4)7例、葬家族性ADではアポリポ蛋白E(Apo-E)e4対立遺伝子の保有個数が異なる例(計33例)、正常対照6例で、海馬皮質亜野での神経細胞脱落と神経原線維変化(NFT)形成を定量的に解析し、これらの遺伝子と神経細胞死との関連について検討した。方法は海馬前額断でKluver-Barrera染色とGallyas-HE染色を行い、海馬体をCA4,CA3,CA2,CA1,subiculumの5亜野に分けて観察し、NFTを有しない核小体の明瞭な神経細胞、核小体が明瞭な神経細胞内の原線維変化(i-NFT)神経外原線維変化(e-NFT)の密度を測定し、罹病期間、神経細胞脱落の程度、神経原線維変化の程度との関連を調査した。その結果、APP717例では、CA2とCA1において非家族例よりもNFT形成が高度で、罹病期間に非家族例との差が認められないことから、この部位ではAPP717遺伝子変異がNFT形成に強く影響していることが示唆された。PS-1例では、CA3とCA2、CA1で対照例や非家族性例よりも神経細胞脱落が強くNFT形成も高度であった。PS-1例ではCA2やCA1に加え、CA3でも神経細胞脱落とNFT形成に関与していた。またPS-1例ではi-NFT密度は非家族例と有意差がないがe-NFT密度はCA各亜野において有意に増加していることから、PS4がi-NFT(NFTを持ちながら生存している神経細胞)からe-NFT(神経細胞死)への過程に関与している可能性がある。またApoE e4対立遺伝子のNFT形成への関与は、特にCA1で強いことが示された。CA2はApo-E e4の影響をうけにくい部位であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Sudo, Y.Fukutani, R.Matsubara, K.Sasaki, M.Shiozawa, Y.Wada, H.Naiki, K.Isaki: "Motor neuron disease with dementia combined with degeneration of striatonigral and pallidoluysian systems"Acta Neuropathologica. 103. 521-525 (2002)
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[Publications] S.Sudo, M.Shiozawa, NJ.Cairns, Y.Wada: "A quantitative study of regional accentuation of neurofibrillary degeneration in familial and non-familial Alzheimer's disease"Dementia and Geriatric Cognitive Disorders. (発表予定).