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2002 Fiscal Year Annual Research Report

骨髄低形成発症機序の解明:Fanconi貧血原因遺伝子の機能解析

Research Project

Project/Area Number 13671082
Research InstitutionJichi Medical School

Principal Investigator

大月 哲也  自治医科大学, 医学部, 講師 (60275691)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 永嶋 貴博  自治医科大学, 医学部, 助手 (10343443)
KeywordsFanconi貧血 / IKK2 / アポトーシス / NF-κB / 骨髄低形成 / 分子病態
Research Abstract

Fanconi貧血(FA)は常染色体劣性遺伝形式により発症する遺伝性疾患であり、高率に起こる骨髄低形式を特徴とする。本症は、8つの相補性群(A,B,C,D1,D2,E,F,G群)に分類され、B群を除く原因遺伝子は全てクローニングされている。しかし、その遺伝子産物の機能は不明のままであり、骨髄低形成を発症する機序に関しては、TNF-αの関与を示唆する実験結果が報告されているものの、その鮮細は明らかではなかった。
我々はFA蛋白質の機能を明らかにすることを目的として、FANCAをbaitとしたyeast two-hybrid実験を行ない、IKK2をFANCA結合蛋白として同定した。IKK2は、NF-κBの活性化に必須である巨大複合体:inhibitor κB(IκB)kinase(IKK)complexの重要な構成因子の一つである。TNF-αは、細胞にアポトーシス誘導シグナルを伝えるが、同時にNF-κBの活性化を介して抗アポトーシス作用も惹起する。NF-κBは、通常、細胞質でIκBに結合して非活性型の状態で存在するが、細胞がTNF-α刺激を受けると、I_κBがIKK complexによりリン酸化を受け、ユビキチン化の後に26Sプロテオソームにより分解される。すると、NF-κBはフリーの活性型となり、核へ移行して本来の転写因子としての働きを発揮し、抗アポトーシス作用を発揮すると考えられている。
FANCAはIKK2との結合を通じてIKK complexの機能を修飾することにより細胞のアポトーシス誘導への感受性を調節している可能性があると考えられた。実際、FA-A群患者由来リンパ球と、これにレトロウイルスにより正常のFANCA cDNAを導入したリンパ球をTNF-αで刺激した後に細胞内のIκB量を比較すると、後者においてdegenerationが亢進しているというデータが得られた。これは、FA-A群患者由来リンパ球では、TNF-α刺激後にNF-κBを介した抗アポトーシス作用がおこりにくいことを意味しており、TNF-αのアポトーシス作用が強調される結果、細胞がアポトーシスに陥りやすくなっていることが予想される。
この一連の研究は、FA細胞のアポトーシス誘導への高感受性のメカニズムの一端を説明しうるものであると思われる。

  • Research Products

    (4 results)

All Other

All Publications (4 results)

  • [Publications] Otsuki T.: "Phosphorylation of Fanconi anemia protein, FANCA, is regulated by Akt kinase"Biochem. Biophys. Res. Comm.. 291. 628-634 (2002)

  • [Publications] Otsuki T.: "Fanconi anemia protein complex is a novel target of the IKK signalsome"J. Cell. Biochem.. 86. 613-623 (2002)

  • [Publications] 大月 哲也: "Fanconi貧血の分子病態"血液・腫瘍科. 44. 91-98 (2002)

  • [Publications] 大月 哲也: "Annual Review血液Fanconi貧血の新しい分類と病態"中外医学社. 7 (2002)

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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