2001 Fiscal Year Annual Research Report
DNAマイクロアレーを用いた嚢胞性腎疾患の発症機序の解明
Project/Area Number |
13671102
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高市 憲明 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (00175423)
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Keywords | PKD / DNAマイクロアレー / 腎嚢胞 / HGF / follistatin / コラーゲンゲル |
Research Abstract |
種々の病態で管腔構造を呈すべき尿細管が嚢胞を生じるが、その機構には不明な点が多い。コラーゲンゲル内で3次元的に培養すると嚢胞状になることが知られているMDCK細胞を腎嚢胞のモデルとして、嚢胞構造を呈する機構を体系的に検討することを目的とした。たまたま10%牛胎児血清の存在下で、尿細管様管腔構造を呈するクローン(C4)と嚢胞構造を呈するクローン(C1)を得た。これまでにMDCK細胞を管腔構造化させる因子としてはHGF, follistatinしか知られておらず、牛胎児血清のみで管腔構造を呈するMDCKは知られていない。C1には管腔構造を呈する上で重要な遺伝子の発現が低下している可能性を考え、C4、C1のmRNAの発現の違いを約9000のcDNAを固定したDNAチップを用いて検討した。検討されたchannel, ATPase, solute carrier, ホルモンレセプター, 接着にかかわる多くの因子の発現には差が無く類似の尿細管細胞と考えられた。管腔構造生成に関係あると思われるPKD1, 2の発現に有意差は認めず、またHGFの有意な発現は共に認めなかった。HGFレセプターの発現に有意差は認めなかった。, follistatinはむしろC1で多く発現していた。細胞外基質ではcollagen、lamininの発現には差が無かったが、fibronectinの発現がC1では低下していた。しかし、C1を種々濃度のfibronectinを含有するコラーゲンゲル内で3次元的に培養して管腔構造は呈さず、単にfibronectinの発現低下のみですべてを説明することはできなかった。
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