2001 Fiscal Year Annual Research Report
メサンギウム細胞特異遺伝子(メグシン)改変マウスにおける腎炎発症機序の解明
Project/Area Number |
13671129
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
稲城 玲子 東海大学, 総合医学研究所, 講師 (50232509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 敏男 東海大学, 医学部, 助教授 (10222332)
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Keywords | メサンギウム細胞 / メグシン / セルピン / セリンプロテアーゼ / 糸球体腎炎 / メサンギウム基質 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
メサンギウム細胞特異的高発現遺伝子(メグシン)の過剰発現マウス(メグシンTg)の腎病理を経時的に検討したところ、10-12週令までは病理学的変化をまったく認めないが、約20週令に至ると有意に免疫複合体沈着が亢進し、約40週令ではヒトのメサンギウム増殖性糸球体腎炎と類似の病理像(メサンギウム細胞増殖、メサンギウム基質増生、免疫複合体沈着)を呈することが明らかとなった。また、病理所見を呈する前のメグシンTg(10週令)と同週令の野生型マウスに抗糸球体基底膜抗体を投与し、糸球体障害の程度/経過を両群で比較検討した。その結果、野生型マウスでは投与後7日までは急激なメサンギウム基質増生が認められ、その後28日には糸球体障害がほぼ正常に修復されるのに対し、メグシンTgは投与後28日まで基質増生が持続的に認められ、糸球体修復がかなり遅延することが明らかとなった。このことより、メグシンTgは病理像を呈する前から糸球体機能、少なくとも糸球体障害修復能に異常が生じていることが明らかとなった。 さらにメグシンの腎臓における病態生理学的意義の分子レベルでの解明を目指して、メグシンTgと同腹野生型マウスからメサンギウム細胞を単離培養し、microarrayによる発現遺伝子プロファイルを作製、両群において発現変動がみられる遺伝子の検索を行った。予備的な解析結果から、いくつかの遺伝子、特に基質のリモデリングに関与するプロテアーゼや転写因子などの発現変動が確認でき、メグシンTgにおける腎炎自然発症の分子機序解明の手がかりが得られた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Miyata T, et al.: "Progressive mesangial expansion and hypercellularity in transgenic mice of mesangial cell-predominant serpin,megsin"J Clin Invest. (in press).
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[Publications] Inagi R, et al.: "Efficient detoxification of carbonyl stress by the gloxalase system in peritoneal dialysis"Kidney Int. (in press).
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[Publications] Miyata T, et al.: "Angiotensine II receptor antagonist and angiotensine converting enzyme(ACE)inhibitor scavenge oxidative radicals and lower the formation of advanced glycation end products"J Am Soc Nephrol. (in press).