2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト臍帯血から分化誘導された内皮前駆細胞の腎組織再構築への応用
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13671133
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Research Institution | KURUME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
奥田 誠也 久留米大学, 医学部, 教授 (80158823)
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Keywords | 腎組織再構築 / 内皮細胞 / 血管新生 / CD34陽性細胞 / 糸球体硬化 / 尿細管間質障害 |
Research Abstract |
腎疾患においては、糸球体や尿細管間質の組織障害に引続き、組織が再構築される。最近になり、腎組織の再構築には血管新生が重要な役割を果すことが明らかになってきている。実験的メサンギウム増殖性腎炎や尿管結紮間質線維化モデルにおいても、可逆性組織再構築により組織が修復される場合は血管新生が盛んに行われるが、一方で組織の未修復のため硬化線維化などの不可逆的組織変化きたす場合は、血管新生が不十分であることが組織学的にも観察される。 従来成人における組織再構築における血管新生は、隣接する既存の毛細血管内皮細胞の増殖と遊走によるもののみであると考えられてきた。しかしながら我々は最近、成人末梢血中の単核球の分画中に血管内皮細胞に分化しうる内皮前駆細胞が存在することを発見し報告した。内皮前駆細胞は末梢血単核球中のCD34陽性細胞の分画に存在し、CD34細胞を分離後、培養していく過程で内皮としての表現型を示し、さらに成人(成熟動物)体内における血管新生に関与することが示された。以上より成人における組織再構築における血管新生は、これまで理解されてきた隣接する内皮細胞の増殖遊走のみではなく、内皮前駆細胞の内皮細胞への分化という胎生期にみられるような血管形成(vasculogenesis)タイプの血管新生も関与する可能性があることが示唆された。 内皮前駆細胞は末梢血に限らず、骨髄や臍帯血などの未分化幹細胞を多く含有する組織や血液からも十分に採取可能であると思われる。そこで我々はヒト臍帯血から内皮前駆細胞の単離および内皮への分化誘導が可能であるか否か、さらにそれが可能であれば内皮前駆細胞による血管新生で腎組織の修飾が可能であるか否かについて検討を加えた。臍帯血からCD34陽性細胞を単離し、ラットの実験的メサンギウム増殖性腎炎(Thy-1腎炎)に左腎動脈より投与した。投与後1週間後と2週間後の糸球体内にはCD34陽性細胞の存在は確かめられた。しかしながら増殖性病変と硬化病変に差は認められなかった。本研究では内皮前駆細胞と腎の再構築との関連を明らかにすることはできなかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Okuda, S 他12名13番目: "Caveolae integration of growth factor receptor in mesangial cells and caveolin expression in mesangial proliferative glomerulonephritis"Kidney Int. 60・1. 471-480 (2001)
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[Publications] Okuda, S 他7名8番目: "Ectopic expression of Smad7 inhibits transformation growth favtor-b responses in vascular smooth muscle cells"Life Sciences. 69. 2641-2652 (2001)
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[Publications] Okuda, S 他5名6番目: "Steroid therapy and urinary transforming growth factor-b1 in IgA nephropathy"Am J Kidney Dis. 38. 1191-1198 (2001)
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[Publications] Okuda, S 他3名4番目: "Different effects of 22-oxacalcitrol and calcitriol on the course of experimental chronic renal failure"J Lab Clin Med. 140. 242-249 (2002)