2001 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光超高速測定による新生児脳組織の光学定数の発達的変化に関する研究
Project/Area Number |
13671140
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Research Institution | Kagawa Medical School |
Principal Investigator |
磯部 健一 香川医科大学, 医学部, 助教授 (00159815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 正則 香川医科大学, 医学部, 助手 (90237636)
日下 隆 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (50274288)
今井 正 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (60176477)
河田 興 香川医科大学, 医学部・附属病院, 助手 (40284369)
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Keywords | 近赤外時間分解分光測定 / 散乱係数 / 吸光係数 / 平均光路長 / pathlength factor / 新生仔豚 / 低酸素 |
Research Abstract |
新生児の脳に構造的に近似している新生仔豚頭部内の光学パラメータ(散乱係数、吸光係数)と平均光路長を測定した。5頭の新生仔豚を用い吸入酸素濃度を100%から4%まで段階的に変化させ、近赤外光の3波長を用いた時間分解分光測定装置を使用し、Pattersonらの光拡散方程式の解に非線形最小二乗法でフィッティングすることにより散乱係数(μ_s')、と吸光係数(μ_a)を算出した。同時に平均光路長も求めた。 1.吸入酸素濃度(FiO_2)とμ_s'とμ_aの関係 FiO_2 100%における760、800、830nmのμ_s'は、各々9.41±1.03(mean±SD)、8.60±0.94、8.91±0.79/cm、FiO_2 4%では各々10.27±1.44、9.06±1.21、8.44±1.96/cmと低酸素負荷でもほぼ一定であることが明らかとなった。一方、各波長のμ_a、はFiO_2 100%から21%までは殆ど変化せず一定で、FiO_2 21%では各々0.219±0.014、0.178±0.017、0.212±0.023であった。FiO_2を15%へ低下させるとヘモグロビンの脱酸素化を反映して760nmのμ_aが有意に増加したが、800nmと830nmのμ_aは低酸素にも拘らず変化しなかった。これは脳内ヘモグロビンの増加を意味する。 2.FiO_2と平均光路長の関係 送受光ファイバー間距離(D)が各実験で異なるので、differetial pathlength factor(DPF)=平均光路長/Dで検討した。FiO_2 100%における760、800、830nmのDPFは、各々5.11±0.32、5.20±0.35、4.86±0.31であった。FiO_2を低下させても800、830nmのDPFは有意な変化を示さなかった。760nmのDPFはFiO_2 10%で4.40±9.31を示しFiO_2 21%に比し有意に低下したが以後は一定であった。これは脱酸素化ヘモグロビンの増大を反映している。
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