2002 Fiscal Year Annual Research Report
母体血中胎児有核赤血球のsingle cell levelのDNA分析
Project/Area Number |
13671146
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Research Institution | KANAZAWA MEDICAL UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高林 晴夫 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助教授 (60171542)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 守 金沢医科大学, 総合医学研究所, 助手 (50319068)
市川 秀隆 金沢医科大学, 医学部, 助手 (40151469)
谷野 幹夫 金沢医科大学, 医学部, 助教授 (60135051)
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Keywords | 母体血 / 有核赤血球 / 胎児診断 / DNA診断 / マイクロマニピュレーション / PEP / PCR / FISH |
Research Abstract |
同意が得られた妊婦50人より羊水穿刺の前に採血した血液から、double-density gradientsにより有核赤血球分画を分離し、Hemoglobin F(HbF)染色により胎児細胞を選別し、micromanipulatorを使用しスライドグラス上に採取し、FISHを行い性染色体および13、18、21番染色体の数的異常の分析を行った。 50例中43例は異常は認められなかったが、7例に異常がみられた。異常の内訳はXXYが2例、trisomy13が1例、trisomy18が1例、trisomy21が3例だったが、各々HbF陽性細胞のほぼ90%に過剰なシグナルを認めた。この結果は羊水検査の結果と矛盾しなかった。分析可能だった細胞数については、染色体異常が認められなかった43例では平均40だったが、異常がみられた7例では平均242だつた。 母体血から分離された細胞が、果たして胎児由来であるかどうかということは、本方法の出生前診断において非常に重要である。今回の染色体異常例における分析結果から、HbF染色陽性細胞のほぼ90%が胎児由来の異常細胞であると考えられた。以上の結果により、HbF染色とmicromanipulationの組合せは、母体血中の胎児細胞による出生前診断において非常に有効な方法であると考えられた。また、染色体異常例において、正常例と比較して非常に多くの胎児由来有核赤血球の出現がみられたことは注目される現象である。 今後、処理過程の自動化、分析過程のLab on a Chip化が重要な課題と思われる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Haruo Takabayashi: "Fetal DNA Diagnosis from Maternal Blood-PEP-TaqMan PCR Analysis of A Single Nucleated Erythrocyte(NRBC)-"The American Journal of Human Genetics. 71・4. 565 (2002)
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[Publications] 高林 晴夫: "母体血による胎児DNA分析"産婦人科の世界. (発表予定). (2003)
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[Publications] 高林 晴夫(分担): "「母体血による胎児DNA診断のための胎児由来細胞回収装置の開発」成果報告書"北陸産業活性化センター. 52 (2003)