2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性細小血管症の成因としてのカルボニルストレスの機序解明-高血糖由来カルボニル化合物代謝酵素の遺伝子ターゲッティング-
Project/Area Number |
13671193
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
宮田 哲 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20304090)
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Keywords | 糖尿病合併症 / 糖化反応 / メチルグリオキサール / glyoxalase-1 / ジカルボニル化合物 / 遺伝子ターゲッティング |
Research Abstract |
糖尿病で形成が亢進する糖化反応中間体methylglyoxal(MG)は、高反応性のジカルボニル化合物で細胞障害性を有しているため糖尿病細小血管症進展の原因物質となり得ることが提唱されている。これに対する生体内防御機構として、glyoxalase-1(GLO1)とglyoxalase-2の二つの酵素によってMGを非活生物質に代謝するglyoxalase systemの重要性が指摘されている。 本研究では、GLO1のノックアウトマウスを作製することによってMGの代謝機構と細小血管構成細胞に現れる機能変化との関係を解析することを目的としている。平成13年度にクローニングした複数のマウスGLO1 cDNAについて塩基配列解析すると、開始コドンから225番目の塩基がチミン(T)のものとシトシン(C)のものの2種類が存在した。そのため、マウス脂肪細胞cDNAライブラリーにおいても塩基配列解析を行ったところ、脂肪細胞においては、同部位の塩基はすべて(T)であった。塩基がどちらであってもアミノ酸は変化しないため、silent SNPであると考えられた。次に、クローニングしたGLO1 cDNAの塩基配列情報からコドン開始部位を含むプローブを作製し、これを使ってマウス肝ゲノムライブラリーからハイブリダイゼーション法によってゲノムDNAのスクリーニングを行っており、現在、塩基配列解読中である。また、GLO1発現確認の為、発現ベクターであるSRM-EcoR1(Z3) vectorにHA tag付きのマウス全長GLO1 cDNAを挿入したので、抗マウスGLO1抗体作製の後、イムノブロット法にて発現確認を行う予定である。 今後は、ターゲッティングベクターを構築してGLO1遺伝子ノックアウトマウスを作製していき、その動物におけるMGの代謝変化とそれに伴う細小血管の機能変化を解析する。
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