2002 Fiscal Year Annual Research Report
癌関連抗原AgSK1の分子生物学的解析及び癌特異的免疫治療への応用(新しい癌抗原のMolecular Analysis及びペプチドワクチンとしての臨床応用に関する研究)
Project/Area Number |
13671215
|
Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
幸田 圭史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50260477)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 健司 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90282483)
|
Keywords | ヒト型モノクローナル抗体 / 大腸癌 / 乳癌 / 特異的癌免疫治療 |
Research Abstract |
本研究期間中に以下の点を検討し、報告した。 1)純粋なヒト型モノクローナル抗体であるSK1は大腸癌のin vitroでの運動能を抑制する作用があることを前年度に報告したが、本研究期間中に定量的RT-PCRによる認識抗原(AgSK1)のmRNA量を検討すると、各種の大腸癌細胞株においては全てにその発現を認めたのに対し、非上皮性腫瘍細胞株、正常人のリンパ球、非担癌患者の正常大腸粘膜にはそのmRNAの発現量は全く認めないか、極めて少ないことが判明した。AgSK1は大腸癌に比較的特異性が高く、またその接着ないし、増殖に関与する分子であることが遺伝子レベルでも示唆された。 2)AgSK1の遺伝子全長をPCRでクローニングし、AgSK1の発現をみとめない線維芽細胞にAgSK1を強制発現させた遺伝子導入細胞株を作成中であり、今後、この遺伝子導入細胞株を用いて接着、増殖能にSK1抗体が抑制的に働くかを検討する予定である。 3)新たに作成した2種類のヒト型モノクローナル抗体(KK1-KK2)について検討している。KK1はヒト型IgA抗体でvimentinに類似した32KDaのタンパクを認識する。リンパ球のsourceは肺の非小細胞癌患者の所属リンパ節から得た。抗原の分布は大腸癌、肺非小細胞癌、に明らかに存在するが、正常肺、正常大腸粘膜をはじめ、小腸、肝臓、皮膚、腎臓、横紋筋には免疫染色上は抗原を確認できない。KK1はヌードマウス移植ヒト大腸癌細胞株、HT29の発育をポリクローナルIgAに比して有意に抑制した。KK2はヒトIgG1型モノクローナル抗体で、乳がん患者のリンパ節から作成した。大腸癌、肺癌にも強く反応するが、調べえた正常組織との反応性は確認できない。認識抗原は糖鎖である可能性がある。やはりヌードマウス移植大腸癌細胞株colo205の発育を強力に抑制した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Keiji Koda, et al.: "Immunotherapy for recurrent colorectal cancers with human monoclonal antibody SK1"Anticancer Research. 21. 621-628 (2001)
-
[Publications] M Glassy, K Koda: "The nature of an ideal therapeutic human antibody"Expert opin Biol Ther. 2(1). 1-2 (2002)
-
[Publications] 幸田圭史, 他: "大腸癌に対するモノクローナル抗体を用いた診断と治療の現況"日本臨床. 60(3). 539-544 (2002)
-
[Publications] Keiji Koda, et al.: "Natural killer cell activity and distant metastasis in rectal cancers treated surgically with/without neoadjuvant chemo-radiotherapy"J Am Col Surg. (In press). (2003)
-
[Publications] Kondo E, Koda K, et al.: "Preoperative natural killer cell activity as a prognostic factor for distant metastasis following surgery for advanced colon cancer"Digestive Surg. (In press). (2003)