2002 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞とその遊走因子を利用した新しい免疫遺伝子療法の開発
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13671220
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高山 卓也 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10332579)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田原 秀晃 東京大学, 医科学研究所, 教授 (70322071)
角田 卓也 東京大学, 医科学研究所, 講師 (30275359)
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Keywords | dendritic cell / in vivo electroporation / Flt3L / chemokine / SLC / CCR7 |
Research Abstract |
研究計画調書に記載した平成14年度の研究計画に沿って研究を進めた。 1.樹状細胞の成熟能に影響を与え、免疫制御に関わるサイトカイン(TGF-beta)を樹状細胞に遺伝子導入しその機序を解析した。その結果、樹状細胞を遺伝子修飾することにより、樹状細胞の機能改変のみならずアロの臓器拒絶反応を含めた免疫反応の制御が可能であることが判明した。(業績) 2.樹状細胞は強力な抗原提示細胞であり、Flt3Lにより分化増殖が誘導される。そこで、このFlt3Lをウイルスを用いない方法であるin vivo electroporation(IVE)法で遺伝子発現させ、生体内で樹状細胞を動員することを試みた。遺伝子導入後7日目に脾臓および骨髄での樹状細胞数(CD11c^+細胞)は増加し、それらのうち成熟型を示す表面抗原(CD40^+/CD11c^+、CD80^+/CD11c^+、CD86^+/CD11c^+)を持つものも増加した。この方法により生体内で樹状細胞を動員し免疫反応を制御できる可能性が示唆された。この結果に基づいてさらにマウス腫瘍モデルを用いて抗腫瘍効果の判定とその機序を解明した。(第60回日本癌学会にて発表) 3.CCR7のリガンドであるSLCが抗腫瘍免疫能を制御する可能性に注目し、その効果を検討するためにSLC遺伝子導入腫瘍細胞株を樹立することを試みた。SLCを遺伝子導入するためのレトロウイルスベクターを開発、次いでマウス可移植細胞株であるMCA205に感染させてSLCを強発現する細胞株を樹立した。この細胞をマウスに皮下移植し対照群とその腫瘍径を比較したところSLCを強発現する細胞株は有為な腫瘍の増殖抑制効果を示した。(第103回日本外科学会総会2003年6月にワークショップで発表予定)
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Takayama T, Kaneko K, Morelli AE, Li W, Tahara H, Thomson AW: "Retroviral delivery of transforming growth factor-beta1 to myeloid dendritic cells : inhibition of T-cell priming ability and influence on allograft survival"Transplantation. 74巻1号. 112-119 (2002)