細径人工血管吻合部狭窄に対する血小板由来増殖因子を標的とした遺伝子治療の研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13671222
• Research Institution: Kanazawa University
• Principal Investigator: 大竹 裕志 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (60283131)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 渡邊 剛 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60242492)
• Keywords: 人工血管吻合部 / 血小板由来増殖因子 / 遺伝子治療

Research Abstract

AxLacZ群と同様にラットの腹部大動脈の人工血管置換術を行い、AxPDGFXR100μl(AxLacZ外膜側投与群における最適濃度)を末梢側吻合部に外膜側より浸透させる。また、内腔側投与群としてAxPDGFXR100μl(AxLacZ内腔側投与群における最適濃度)を末梢側吻合部に浸透させ、30分後に血流を再開する。Ax群も同様に外膜側投与群と内腔側投与群にわけAx100μlを局所投与する。対象として何も投与していない群を作成する。各群15匹づつとし(計75匹)、後に犠牲死させ、末梢側吻合部を取り出す。移植後2週間にて各群5匹の吻合部を取り出し、ウエスタンブロット法にてAxPDGFXRの蛋白定量、RT-PCR法によりのmRNA発現の検索を行う(DNA増幅用装置)。抗体はヒトPDGFβ受容体アミノ酸配列100-117に対するものを用い、また、プライマーはセンスとしてPDGF受容体遺伝子配列1368-1391、アンチセンスとしてベクター配列の1部を用いる。移植後2ヶ月にて各群10匹の吻合部を取り出し、ホルマリン固定する。後にHE染色を行い、また、von Willebrand因子(内皮細胞を標示)および増植マーカーであるKi-67抗原に対する免疫組織染色を行う。顕微鏡下に吻合部の仮性内膜面積および狭窄率を求める。吻合部の内皮細胞被覆率を算出する。吻合部の仮性内膜においてKi-67抗原陽性細胞の全細胞に対する割合を求める。同様にTUNEL法を用いてアポトーシス細胞の割合を求める。数値は各群間で統計学的に比較検討する。前述の計画に沿い、実験を施行した。現在、統計処理中であるが、AxPDGFXR群のほうが、von Willebrand因子、Ki-67抗原の発現が少ないような印象を受けている。