2002 Fiscal Year Annual Research Report
人工胆管開発による胆管癌の病態・治療解析モデルの作成と手術再建材料としての応用
Project/Area Number |
13671245
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森崎 隆 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90291517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 幸二 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (50191226)
内山 明彦 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (20294936)
片野 光男 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
松田 武久 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60142189)
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Keywords | 胆菅 / 人工胆菅 / 三次元培養 / 低重力培養 / 胆道癌 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
胆管は、薄い結合組織性の管腔様結合織と内層を単層に覆う胆管上皮からなる。我々は、Tissue Engineeringの技術を用いて人工的に胆管組織を構築し、これを用いた胆道系疾患の病態解析や外科材料としての応用ができないかとの発想に至った。本研究の目的は、1)外科手術の観点より、胆管切除後のより低侵襲性の再建術を目的とした人工胆管の再建材料としての有用性の検討をおこなうこと。2)In vivoにより近い胆管癌モデルを作成、胆管癌の浸潤機構と新たな治療法、の開発をおこなうことであった。第一世代人工胆管の作成は、胆道上皮細胞の培養と管腔状結合織の作成よりなる。後者は、特殊デバイスを用いて、ヒト線維芽細胞とType-1コラーゲンとの混合培養により形成されるが、ヒト線維芽細胞密度をあげることにより、より固い管腔組織が形成されることがわかった。この組織の内腔にヒト胆管上皮細胞を培養するわけであるが、その純粋大量培養には未だ問題がある。我々は、この問題を解決するため、培養液における成長因子の最適条件を決定し(論文作成中)、さらに胆道上皮の三次元培養のための低重力培養の有用性について基礎的検討を行い発表した(論文1)。(1)Auto graphを用いた張力と進展力を計測したが、外科材料としては縫合による張力に問題があり、現在薄いMesh等を管腔結合織に応用する予定である。(2)胆管癌組織学的浸潤モデルに関しては、これまで我々が樹立した胆管癌細胞株GBd1を用いて、人工胆管組織に移植し人工胆管癌組織を作成した。このモデルにおいて、組織学的に最も実際の胆管癌に類似した形態をとるためのマトリックスや増殖因子の組み合わせにつては現在解析中である。最近我々が、In vitro(二次元)にて癌細胞と繊維芽細胞の増殖を抑える実験系に成功したRecombinant IFN-γの直接注入(論文投稿中)あるいはIFN-γ遺伝子導入用plasmid pGT601FN-γの電気穿孔導入による組織学的変化を検討中である。
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Research Products
(1 results)