2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671270
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Research Institution | Kagawa Prefectural College of Health science |
Principal Investigator |
加藤 亮二 香川県立医療短期大学, 臨床検査学科, 教授 (00233833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天川 雅夫 香川県立医療短期大学, 臨床検査学科, 助手 (80331867)
真鍋 紀子 香川県立医療短期大学, 臨床検査学科, 講師 (80321264)
丸山 正幸 信州大学, 医学部・第二外科, 助手 (60324258)
太田 安彦 香川県立医療短期大学, 臨床検査学科, 助手 (20321268)
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Keywords | RM40 / モノクローナル抗体 / 糖鎖変異 / 乳頭がん / 診断法 |
Research Abstract |
甲状腺濾胞細胞を発生母地とする分化がんの簡便な診断法を開発するため、新たなモノクローナル抗体の作成とそれを用いた腫瘍マーカー測定法の構築を目差した。まず、甲状腺がん組織を抗原とするマウスモノクローナル抗体と甲状腺がん組織から精製したサイログロブリン(以下Tg)を抗原とする抗Tgモノクローナル抗体を作成した。得られた前者の抗体は良性腫瘍、濾胞がん、未分化がんおよび非甲状腺がん(肝がん、胃がん、大腸がん)組織中には存在せず、乳頭がん組織のみに存在する蛋白(RM40)と反応した。後者の抗体の部にはTg糖鎖近傍のエピトープを認識するものがあった。血清中のこれらの蛋白を測定するために、得られた幾つかの抗体を組み合わせてマイクロプレート固相を使用した酵素免疫測定法(ELISA)を構築した。方法は直接血清中の目的抗原を測定する検査法と血清に適当な比率でレクチン(LCA, ConA)を添加して、Tg糖鎖の近傍エピトープを認識する標識モノクローナル抗体との結合阻害率を求めるTg糖鎖変異検出法を組み立て、両者を比較した。 直接法に比べてTg糖鎖変異を検出する方法では、乳頭がん血清と良性腫瘍およびバセドウ病の血清で有意な差を認めた。この測定法を用いることで甲状腺分化がん、特に乳頭がんの腫瘍マーカー検査としての意義が認められた。また、モノクローナル抗体を用いて乳頭がん組織から特異蛋白RM40を精製し、この蛋白の解析中である。
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