2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト大腸癌局所での腫瘍免疫反応解析への新しいアプローチ
Project/Area Number |
13671275
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
溝井 賢幸 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (90271949)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 誠一 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (60221066)
|
Keywords | 大腸癌 / 腫瘍免疫 / マクロファージ / 樹上細胞 / リンパ球 / フローサイトメトリー |
Research Abstract |
1:大腸癌局所からのマクロファージ・樹状細胞・リンパ球の単離と、フローサイトメトリー(FCM)による解析 (1)大腸癌手術標本より腫瘍先進部・正常組織を一部採取・細切し、酵素処理後、比重遠心分離にて単核細胞を単離。 (2)FCMによって、分離したTリンパ球の表面抗原を解析した結果、末梢血に比べCD4優位であり、また90%以上がメモリーT細胞であった。 (3)Th1/Th2バランスを検討するため、分離したTリンパ球のInterferon γとIL-4の発現をFCMにより解析したところ、同一患者の末梢血と比べ有意にTh1優性であることが明らかとなった。またこれらのリンパ球は、type 1のchemokineであるCXCR3,CCR5陽性だった。 (4)分離した単核細胞から、磁気ビーズ法によりさらにCD14陽性細胞を単離し、リンパ球との混合培養(MLR)によりリンパ球に対する増殖刺激能を検討したところ、腫瘍から分離したCD14陽性細胞には、リンパ球増殖刺激能が認められた。 2:免疫組織化学染色による解析 (1)大腸癌手術標本より凍結切片を作製し、免疫組織化学染色をおこなった結果、腫瘍先進部に浸潤するマクロファージは、Fas ligand(FasL)陽性であった。またFasL陽性のマクロファージ周辺の癌細胞は、apoptosisに陥っているものがみられ、その頻度はFasL陽性マクロファージの浸潤程度と相関した。 (2)免疫染色の結果、腫瘍先進部のCD4+, CD8+Tリンパ球は、CXCR3およびCCR5陽性であった。またこれらケモカインのligandであるRANTESはCD8+Tリンパ球に、IP-10はマクロファージと癌細胞に陽性であった。
|
Research Products
(1 results)