2002 Fiscal Year Annual Research Report
食道癌化学放射線治療施行時の腫瘍代謝推移のポジトロンCTによる定量評価と臨床応用
Project/Area Number |
13671281
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
岡住 慎一 千葉大学, 医学部附属病院, 講師 (10272311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 久裕 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20282486)
島田 英昭 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20292691)
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Keywords | 食道癌 / ^<18>F-FDG / ^<11>C-methionine / PET / chemo-radiation |
Research Abstract |
食道癌腫瘍部における糖代謝およびアミノ酸代謝をPositron CTを用いて評価し、化学放射線療法の効果判定への応用について検討することを目的とした。進行食道癌51例を対象とした。はじめに、サイクロトロンおよびトレーサー合成装置にて18F-FDGおよび11C-methionineを合成し(別日)、それそれ148MBqおよび370MBqを静注投与し、それそれ60分後、30分後に腫瘍への集積が定常状態になった時点で、PETにて腫瘍部をスキャンし、腫瘍部の放射能濃度を測定した。局所集積度は、SUV(standardized uptake value)を用いて定量評価した。腫瘍部の集積は、糖代謝およびアミノ酸代謝とともに正常食道の平均約6倍の有意な高値を示し、分布は2倍から10倍を呈した。集積の多寡は組織型とは関連を認めなかった。また、腫瘍マーカー(SCC、CYFRA)およびP-53抗体とも相関せず、独立した指標と考えられた。HDRA(hysto-culture drug response assay)による切除標本腫瘍部の抗癌剤感受性評価では、各集積度とCDDPおよび5-FU単独との効果との相関性は認めなかった。化学放射線療法施行例の検討では、放射線治療により両者の集積度とも腫瘍径の縮小に先立って減少し、早期治療効果判定に有用であった。特にFDGの治療開始1週における早期集積低下度と治療終了時(6週後)における治療効果は相関した。また、11C-methionineの治療前集積度は有意にCDDP・5-FU療法の治療効果と相関し、二剤のbiochemical modulationの評価が可能と考えられた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 岡住慎一: "FDG-PETおよびvolume rendering dynamic CTによる食道癌化学放射線療法効果判定"核医学. 39(3). 372 (2002)
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[Publications] 岡住慎一: "T4食道癌CRT例のdown staging判定におけるfull scale volume rendering dynamic CTの有用性"日本外科学会雑誌. 103. 146 (2002)
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[Publications] 岡住慎一: "Volume rendering dynamic CTの食道癌T4診断と化学放射線療法後の病期診断への応用と有用性"日本癌治療学会雑誌. 37(2). 191 (2002)
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[Publications] 島田英昭: "食道癌患者血清マーカーによる遺伝子情報からみた悪性度診断と治療感受性診断"日本癌学会61回総会記事. 151 (2002)
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[Publications] 松原久裕: "食道癌外科的治療の適応と限界"日本消化器外科学会雑誌. 35(7). 860 (2002)
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[Publications] 岡住慎一: "臨床医のためのクリニカルPET 食道癌のFDG-PET"先端医療技術研究所. 4(44-47) (2001)