2002 Fiscal Year Annual Research Report
治療法決定を目的とした食道および大腸表在癌の特性に関する研究
Project/Area Number |
13671303
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
矢野 雅彦 大阪大学, 医学研究科, 助教授 (70273646)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 浩文 大阪大学, 医学研究科, 助手 (30322184)
藤原 義之 大阪大学, 医学研究科, 助手 (40314330)
安田 卓司 大阪大学, 医学研究科, 助手 (10324782)
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Keywords | 食道表在癌 / 細胞周期関連分子 / リンパ節転移 / heat shock protein / Cyclin D1 / 大腸sm癌 / apoptosis |
Research Abstract |
(食道癌について)昨年に引き続き食道表在癌の悪性度を分子マーカーの発現性で検討した.術前未治療の食道表在癌症例125例中の43例で、cell cycle関連分子のcyclin D1, Rb, p16, p27, PCNAと細胞間接着因子のE-cadherin, α, β-cateninの各分子を免疫組織学的に検討した.深達度はm1-2癌(A群):7例、m3-sm1癌(B群):9例、sm2-3癌(C群):27例の3群に分け、それぞれの分子の発現性とリンパ節転移との関連を検討した。cyclin D1は強発現を、またRb, p16, p27、E-cadherin, α, β-cateninは発現低下を異常発現とした。またPCNAは発現陽性細胞率で検討した。リンパ節転移はA群:0%、B群:11%、C群:33%で、またlyはA群:14%、B群:33%、C群:41%あった。接着分子の検討では3分子のどれかの異常発現は、A群20%、B群60%、C群84%と深達度と共に増加したが、リンパ節転移との関連は認められなかった。cell cycle関連分子のうちで発現性がリンパ節転移と相関が認められたのは、cyclin D1でD1の強発現の症例20例中8例がn(+)で、弱発現23例中2例がn(+)であった(p<0.05)。一方、lyの診断ではly(-)の28例中26例がn(-)でly(+)の15例中8例がn(+)で(p<0.01)、EMR後の切除標本でlyの検索とCyclin D1の発現性の検討よりリンパ節転移の予測の可能性が示唆された。今後、食道表在癌手術症例においてprospectiveに検討を行う予定である。・・(大腸癌について)昨年、大腸sm癌123病変の臨床病理学的因子からリンパ節転移危険因子を検討した結果、1200μm以上の浸潤または脈管浸潤陽性、先進部の蔟出・高異型化のいずれかの因子がリンパ節転移危険因子であることが明らかとなった。本年はさらにMMP7, MMP9, S100, Rho, cadherin, catenin, Kl-67, apotosis markerなどの分子生物学的マーカーと病理学的診断との比較を検討中である。
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