ガン転移、炎症におけるヘパラナーゼの作用解析とこれを標的分子とする転移、炎症制御

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13671306
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 猶本 良夫 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00237190)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 田中 紀章 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10127566) ; 繁光 薫 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員 ; 羽井佐 実 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (70322229)
• Keywords: heparanase / gastic cancer / esophagealcancer / colon cancer / invasion

Research Abstract

マトリックス分解酵素を抑制することで、ガンの進展を制御することが可能である。クローニングされたDNA、抗ヒトヘパラナーゼ・モノクロナール抗体を用いて研究を進めている。これまでに完了したものとしてはモノクロナール抗体を用いて食道癌、胃癌、大腸癌における発現と、その臨床病理学的意義を解析しその結果ヘパラナーゼの発現が重要な予後因子であることが明らかとなった。すなわち、ガンの悪性度とヘパラナーゼ発現との間に密接な相関が見られ、また、発癌機構のなかで他のガン関連遺伝子産物とともに重要な役割を果たしていることが明らかとなってきた。これらの結果は、3報に分け投稿中である。また、ヘパラナーゼの発現とVEGF、bFGFなど血管新生因子発現との相関性も検討中であり、がんの進展、悪性度という究極の命題を研究する状況にある。さらに、がん細胞にヘパラナーゼ遺伝子を導入することで悪性度を増すことを確認している。また、抗体産生系の大量培養により得られたモノクロナール抗体を使ってin vitro, in vivoでの抑制実験を開始している。同様に本抗体、抗ヒトヘパラナーゼ・モノクロナール抗体を用いて担癌患者および炎症時の血中、尿中のヘパラナーゼ活性を測定する予定である。投稿中のものはいずれも、現時点では採用には至っていない。平成14年度は主にモノクロナール抗体と低分子のインヒビターを用いた活性の制御実験を行って、臨床応用に向けた研究開発を推進する予定である。