2001 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍抗原MUC1ムチンを標的にした樹状細胞ワクチン癌免疫療法の開発とその臨床応用
Project/Area Number |
13671380
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
渡田 正二 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90191816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤井 聡 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60335172)
紺谷 桂一 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (90314153)
藤野 昇三 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (10209075)
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Keywords | MUC1 / 樹状細胞 / 癌ワクチン |
Research Abstract |
正常ヒト末梢血リンパ球より、MUC1特異的細胞障害Tリンパ球(CTL)誘導が可能かを検討した。末梢血リンパ球をMUC1ペプチドでパルスした自家樹状細胞とともにin vitroにおいて共培養を4週間継続した。得られたCTLの表面マーカーを調べるとCD4陽性Tリンパ球であった。このCTLは、MUC1ペプチド特異的に反応し濃度依存性にinterferon-gammaを産生した。この反応は抗MHCクラスI、II抗体いずれにも抑制されなかったので、MHC非拘束性反応であることがわかった。同様の方法で、MUC1発現陽性乳癌患者リンパ球よりMUC1特異的CTL誘導を試みた。3例の患者末梢血リンパ球より誘導されたCTLは、2つがMHC非拘束性、1つがMHC拘束性にMUC1を認識することがわかった。いずれもCD4陽性Tリンパ球であった。 動物モデルを用いてMUC1を標的とした樹状細胞ワクチン療法の効果を検討するために、まずMUC1遺伝子導入同系腫瘍細胞を作成した。すなわち、Colon26細胞とEL4細胞にエレクトロポレーション法によりMUC1遺伝子を導入した。セレクションマーカーを用いてMUC1強制発現腫瘍株を得ることができた。現在、この腫瘍細胞株をマウスに皮下移植し、その増殖を樹状細胞ワクチンによって抑制する実験を計画中である。
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