2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胸腺T細胞ネガティブセレクションにおけるシグナル伝達
Project/Area Number |
13671399
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
深井 一郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (10244550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 義敬 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40156831)
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Keywords | negative selection / アポトーシス / ミトコンドリア / Cytochrome C / AIF |
Research Abstract |
<ヒト胸腺T細胞negative selectionにおけるミトコンドリアの関与についての解析> 昨年度までの研究により、我々はヒト胸腺DP cellにおける抗CD3抗体及び抗CD28抗体を用いたin vitro negative selection modelを確立し、この系を用いてAnnexinV陽性細胞の出現、Caspase3活性化等のアポトーシス解析を行った。この際、同時にミトコンドリアの膜電位の低下が観察され、胸腺T細胞negative selectionにおけるアポトーシスシグナル伝達にミトコンドリアが関与していることが推測された。ミトコンドリアはアポトーシスにおいて種々のシグナルが収束するゲートウェイとして非常に重要視されている細胞内小器官である。本年度はnegative selection時のアポトーシスに対するミトコンドリアの関与についてさらに詳細な解析を進めた。 アポトーシスのシグナル伝達において、様々な刺激に反応してミトコンドリア膜間腔よりCytochrome C、AIF、Smac、Endonuclease G、HtrA2など多くの因子が放出され、これらによりアポトーシスが進行する。DP cellを抗CD3抗体及び抗CD28抗体で刺激し、細胞質内のCytochrome C、AIF、Smac、Endonuclease G、HtrA2蛋白を蛍光染色しフローサイトメトリーを用いて解析を行った。Cytochrome C、AIF等はhealthy cellの細胞質内には存在しないが、上記の刺激を加えたDP cellでは細胞質内濃度の上昇が観察された。 以上の結果より、胸腺T細胞negative selectionにおけるアポトーシスシグナル伝達にミトコンドリアが関与することが証明された。
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