2001 Fiscal Year Annual Research Report
膠芽腫に対する安全な放射線誘導性自殺遺伝子治療臨床応用法の開発
Project/Area Number |
13671443
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
徳永 能治 長崎大学, 医学部・附属病院, 講師 (00207557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 俊一 長崎大学, 医学部, 教授 (30200679)
出雲 剛 長崎大学, 医学部・附属病院, 助手
大津留 晶 長崎大学, 医学部, 助手 (00233198)
柴田 尚武 長崎大学, 医学部, 教授 (50039517)
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Keywords | 遺伝子治療 / 膠芽腫 / Cre / loxP / 放射線治療 / Egr-1 / 自殺遺伝子 / HVJ-liposome |
Research Abstract |
放射線誘導性自殺遺伝子治療のシステムとして放射線誘導性プロモーターのearly growth response gene-1(Egr-1)プロモーターとその治療遺伝子発現を強化するためにCre-loxP recombination systemを応用した遺伝子治療システムの構築を行った。放射線照射によりEgr-1 promoterが活性化されその下流のcreが発現すると、loxP配列が切り出されCMV promoterによる自殺遺伝子:HSV-TKが強力に発現されるシステムである。これをCre構造とloxP構造の2種類のプラスミドとして構築した。 ラット膠芽腫細胞株C6を用いてin vitroの放射線照射によるEgr-1 promoter活性をluciferase assayにて検討した結果、この発現が一回照射線量10Gyまで線量依存性に亢進を示す事が確認されたが、普遍的promoterであるCMV promoterに比し弱い活性であった。 Cre-loxP systemでのEgr-1 promoter発現亢進作用を確認するために、同様にluciferase assayを行った。2種類のプラスミドの至適比率を検討すると一対一の比率で最も高いluciferase activityを示し、Egr-1 promoter単独の活性より有意な亢進を認めた。その一方、数回行った同様の各実験間での結果に不安定性を認め、現在原因について詳細な検討を行っている。 In vitro gene therapyにおいては、二種類のプラスミドをHVJ-liposome法にて導入し放射線との併用効果を検討しているが、現在のところ一定の結果を得るに至っていない。 既にin vivo gene therapyでの検討を始める為の基礎実験を開始しているが、今後至適放射線照射線量の再検討や導入プロトコールの再検討を行い、より安定した治療システムの確立を目指したい。
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