2002 Fiscal Year Annual Research Report
ビオチン化VEGFを血管内皮に付着させ、血管新生を促進させる実験
Project/Area Number |
13671459
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Research Institution | Dokkyo University School of Medicine |
Principal Investigator |
保谷 克巳 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60270873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 昭雄 東京大学, 医学部, 講師 (50231858)
好本 裕平 獨協医科大学, 医学部, 教授 (50242061)
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Keywords | 内皮細胞 / アビヂン / VEGF / ビオチン |
Research Abstract |
本研究の責任者である保谷は、in vivoにおいて、血管内皮細胞の細胞蛋白をビオチン化し、アビヂンを介して、その細胞にビオチン化された薬剤を付着させる方法を開発した。この方法では、内皮細胞に付着した物質は血流で洗い流されることなく血管内面に留まっていられる。本実験の目的は、ビオチン化されたvascular endothelial growth factor(VEGF)をこの方法を用いて内皮細胞に付着させ、内皮細胞が効率よく増生するか否かを検証することである。VEGFに蛋白のビオチン化剤を反応させ、限外ろ過にてビオチン化されたVEGFをビオチン化剤と分離した。その後、このビオチン化VEGFを過剰な量のavidinと反応させビオチン化1:1のVEGF-avidin(38kDa+67kDa)の複合体を作成した。これと67kDaのavidinの分離をfilter等を用いて試みたが有効な方法はなく、分離精製をせずにビオチン化された内皮細胞に投与した。牛大動脈培養内皮細胞の増殖促進の程度でビオチン化VEGFの力価をアッセイしたが、このgrowth factor単独投与のときと有意な活性の差は認められなかった。次に培養内皮細胞を蛋白ビオチン化剤にてビオチン化し、VEGF-avidin(38kDa+67kDa)の複合体を投与し、単に細胞の培養液に同濃度のVEGFを10分間投与してまた取り除いたときと内皮細胞の増殖に違いが生じるかを検証したが、ビオチン化を施した系で内皮細胞の増殖が有効に促進されることはなかった。
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