2001 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化を伴った攣縮血管に対する遺伝子組み換えヘルペスウイルスを用いた治療の研究
Project/Area Number |
13671474
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Research Institution | Osaka Medical College |
Principal Investigator |
田村 陽史 大阪医科大学, 医学部, 助手 (90247859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 敏彦 大阪医科大学, 医学部, 教授 (30178115)
宮武 伸一 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (90209916)
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Keywords | 動脈硬化 / 攣縮血管 / 組み換えヘルペスウイルス / 血管平滑筋増殖 |
Research Abstract |
15月齢KHCウサギの右総頸動脈を露出し、シリコンチューブで動脈を巻き、26G針で穿刺し血管周囲に血液を充満させ、スパズムモデルを作成した。組み換えヘルペスウイルスウイルスの投与は、作成当日、1日後、2日後に行った。処置部分の中枢および末梢側をクリップでクランプし、24Gサーフローを挿入して、それより組み換えヘルペスウイルスを注入して15分間感染させ、その後クランプを開放することとした。スパズムモデル作成2日後および7日後に灌流固定を行い、X-gal染色してウイルスの細胞への感染の有無を確認、またNIHimage1.61を用いて血管内腔面積および中膜の厚さを測定した。 ウイルスをスパズム作成当日および1日後に投与した群では、X-gal染色で染まる細胞は認めず、ウイルスの感染はなかった。2日後に投与した群では、X-gal染色で陽性の細胞を血管中膜層に認めた。このことから、血管平滑筋の増殖はスパズム作成2日後より起こっている可能性が高いと考えられる。血管内腔面積は、ウイルスを投与しないこれまでの実験データではスパズムモデル作成2日目に攣縮のピークが出現し7日目まで持続性を認めたのに対し、今回の実験では、当日、1日後、2日後にウイルスを投与したすべての群において出血7日目の血管内腔面積の拡大を認め、特にウイルスの感染を確認した2日後投与群において強い血管拡張を認めた。しかし、ウイルスがスパズムの改善(血管内腔の拡大)に関与しているのであれば、当日、1日後投与群でもウイルスの感染があると考えるべきであり、ウイルス以外の因子の関与も考慮に入れる必要があると考えられた。今後ウイルスを用いない同様の処置を行うコントロール実験を行い比較すると共に、JWウサギのスパズムモデルにおけるウイルスの効果などを追加して検討する予定である。
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