2002 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍に対する超音波エネルギーを利用した化学療法の確立
Project/Area Number |
13671477
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
辻田 直隆 福岡大学, 医学部, 助手 (20248496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 正昭 福岡大学, 医学部, 助教授 (80240125)
立花 克郎 福岡大学, 医学部, 講師 (40271605)
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Keywords | 超音波 / 脳腫瘍 / 化学療法 / 治療装置 |
Research Abstract |
本研究は、音響化学療法の臨床応用を目的として、ラットのグリオーマ株化細胞に対するHp誘導体であるポルフィマーナトリウムを用いた超音波照射による音響化学療法の効果について検討した実験研究である。 [方法]液体培地を用いてラットC6細胞浮遊液を1.0×106cells/mlに調整し、Pfを各々25、75、150μg/ml添加し、暗所で4℃、10分間放置した。ラットC6細胞浮遊液を超音波単独照射群と超音波+Pf(75μg/ml)併用群(n=12)に分けた。またWister系ラットを用いて、超音波を照射し正常組織や頚部の腫瘍血管に与える影響についてICAM-1,E-Selectin, VCAM-1などの接着因子を免疫組織学(ABC法)を用い、また血液中のサイトカインの変動をELISA法を用いて検討した。超音波強度を0.3W/cm2とし、5、15、30秒間照射後の各々の生細胞率を測定した。使用した薬剤はHp誘導体の1つであるポルフィマーナトリウム(Pf)である。 [結果]照射時間を5、15および30秒の生細胞率は減少し、超音波+Pfの併用群前者に比べ有意な減少を認めた。Pf濃度25、75および150μg/mlと変化させた超音波+Pf併用群の生細胞率は、超音波単独群と比較して有意に減少していた。しかしそれぞれの群の間では生細胞率に有意な差はなかった。ラットの実験では、ストレス負荷の強度やストレスの質によって、一過性に炎症動物モデルに類似した接着因子の発現を組織内血管に認めた。
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