2002 Fiscal Year Annual Research Report
光コヒーレンス断層法による脳微小血管及び神経細胞の3次元構築の解析
Project/Area Number |
13671479
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
関 淳二 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (20163082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見沢 計一 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室員 (10163312)
中山 泰秀 国立循環器病センター研究所, 生体工学部, 室長 (50250262)
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Keywords | 光コヒーレンス断層法 / 大脳皮質 / 微小循環 / 神経循環カップリング / 血流調節 / ドップラ偏移 / 機能的コラム構造 / 3次元構築 |
Research Abstract |
光コヒーレンス断層法(OCT)は、強い光散乱性のために通常の顕微鏡では観察出来ない生体組織において、数mmの深さにわたる断層像を10ミクロン程度の空間解像度で観察する事を可能にする。本研究では、生体計測に応用可能な光コヒーレンス断層システムを構築し、大脳皮質における微小血管や神経細胞の3次元構築を解析することにより神経活動と循環との空間的時間的なカップリングを解明することを目的とする。 低干渉性の近赤外光源(SLD:中心波長810及び940nm、干渉長32,11μm)を用いて光ファイバマイケルソン型干渉光学系を構成することにより、深さ方向分解能16,8μm、横方向分解能14μmのOCTシステムを構築した。本システムをラット脳皮質の計測に応用したところ、0.7-1mmの深さまで観察可能なことを確認した。更に、脳皮質内の微小血管や神経組織の構築と脳賦活時における変化を探るため、ラットの両側頭頂部に3x5mm^2のウィンドウを設け、後肢を電気刺激することにより感覚刺激し、刺激前後の体性感覚野の皮質断層像をOCTシステムにより計測した。その結果、非刺激時において脳軟膜微小血管は硬膜の有無によりその走行が大きく異なることが分かった。また感覚刺激した場合には、硬膜を除去した群では刺激開始後数秒から脳表が数10μm上昇すること、この変化は脳表から100μm以内で起こっていること、硬膜を残した群では脳表の上昇は見られず、脳表から200-300μm内部の信号強度の増大が認められた。これら刺激時の断層像の変化の原因の一つは脳賦活時の反応性充血によるものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Satomura Y, Seki J, Ooi Y, Seiyama A, Yanagida T: "In vivo imaging of the rat brain microvasculature with optical coherence tomography"Microcirculation Annual. 18. 127-128 (2002)
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[Publications] 関淳二, 里村泰光, 大井康浩, 精山明敏, 柳田敏雄: "OCTによる脳微小血管及び神経細胞の断層画像計測"BME. 40. 33 (2002)
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[Publications] Seki J, Satomura Y, Ooi Y: "Simultaneous measurement of red cell velocity and pressure in the rat pial microvessels"Microcirculation Annual. 18. 3-4 (2002)
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[Publications] Ono H, Sasaki Y, Bamba E, Seki J, Giddings JC, Yamamoto J: "Cerebral thrombosis and microcirculation of the rat during the oestrous cycle and after ovariectomy"Clin Exp Pharmacol Physiol. 29(1-2). 73-78 (2002)
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[Publications] Yamashita T, Taka T, Nojima R, Ohta Y, Seki J, Yamamoto J: "There is no valid evidence presented as to an impaired endothelial NO system in the stroke-prone spontaneously hypertensive rats"Thromb Res. 105(6). 507-511 (2002)
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[Publications] Taka T, Ono H, Sasaki Y, Seki J, Yamamoto J: "Platelet reactivity spontaneously diabetic rats is independent from blood glucose and insulin levels"Platelets. 13(5-6). 313-316 (2002)