2003 Fiscal Year Annual Research Report
培養Schwann細胞を用いた人工神経開発のための研究
Project/Area Number |
13671488
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
西浦 康正 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (80208131)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鷲見 芳彦 帝人株式会社, 先端技術研究所, グループリーダー
陳 国平 産業技術総合研究所, ティッシュエンジニアリング研究センター, 主任研究員
落合 直之 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (30134563)
|
Keywords | 神経再生 / 人工神経 / Schwann細胞 |
Research Abstract |
生体材料として、ラットの尾から採取した腱を圧延したものを管腔状にして、ラットの10mmの坐骨神経欠損部を架橋する実験を行った。長期モデルとして術後6、12週において、神経の組織学的評価、筋湿重量・筋張力測定の評価を行ったが、いずれも両群間に有意差は見られなかった。また、神経欠損長を15mmとして、術後6週で神経の組織学的評価を行ったが、15mmでは架橋部の太さが明らかに細くなってしまっているものがあり、生体材料では、欠損長が長くなると、架橋組織の形態を維持することが困難な可能性が示唆された。このことから人工材料による実験を行うこととした。 壁を通して体液の交通はあるが、細胞の侵入ができないPLA tubeを作成し、架橋実験を行ったが、単独では、軸索伸長は見られなかった。コラーゲンスポンジ、PLA tube内にコラーゲンゲル、合成アルギン酸を注入したものでは、組織学的に軸索伸長は見られず、これらは軸索伸長の障害となることが考えられた。しかし、PLA tube内に培養Schwann細胞を播種したコラーゲンゲルを注入した実験では、良好な神経再生が見られ、培養Schwann細胞の有用性が示唆された。平行して、長い欠損長のモデルを作製するため、ウサギの神経からSchwann細胞を培養することを試みたが、長期に培養すると線維芽細胞が混在するため、大量培養はできなかった。このため、より現実的なモデルとして、Schwann細胞に代わる別の細胞あるいは基質を用いる実験を行った。骨髄単核球分核の細胞を血漿とともに、PLA tubeに充填したものでは、良好な神経再生が見られたが、今度は、PLAの内腔が狭小化することが問題となった。このため、内腔をPLGAでコーティングしたPLA tubeを作成した。その後、骨髄内血漿のみを入れた群で実験を行ったところ、良好な神経再生が見られたが、軸索径は前者の方が太かった。
|