2001 Fiscal Year Annual Research Report
生体活性材料と成長因子による骨形成能を持つ人工骨の作成
Project/Area Number |
13671505
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根尾 昌志 京都大学, 医学研究科, 助手 (80311736)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
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Keywords | 生体活性材料 / 成長因子 / 骨形成 |
Research Abstract |
最初に計画したバイオミメティック法での表面層修飾は、擬似体液のpHが変化すること、薄い表面層内に適量の成長因子を組み込むためには、かなり大量の成長因子を擬似体液中に入れる必要があり不経済であること、予備実験にて多孔体の中に均一の厚さを持ったアパタイト層を形成することが困難であったこと、などより、計画通りに表面修飾層を形成することができなかった。その代わりに、b-FGF、TAK-778などを違った方法で材料上に作用させ、それら周囲での骨形成をin vivoで評価した。 b-FGF 日本白色家兎の大腿骨内顆に孔を開け、b-FGF水溶液を含浸させたAW-GC多孔体円柱を埋め込んだ。コントロールとしb-FGFを含浸させないAW-GC多孔体円柱を用いた。 術後1、2、3、4週で屠殺し、評価した。b-FGF投与群では、非投与群と比較して、1週目より多孔体孔内に多くの血管の形成がみられ、その後も継続した。しかし、血管の進入に伴って期待された骨の形成は見られなかった。 TAK-778 日本白色家兎の脛骨に中村の方法に従ってAWガラスセラミック(AW-GC)のプレートを埋入した。この時、TAK-778/PLGA-MCを同時に骨髄内に充填し、術後4,8,16週で組織学的評価をすると共に、引き剥がし試験にて骨結合力を測定した。コントロールはPLGA-MGを用いた。組織学的にはTAKを作用させた群の方が、活発な骨形成を認めた。これは特に骨髄内に面する部分に多く見られ、このため骨-材料間の結合面積がコントロールに比べ多くなっていた。引き剥がしテストのfailure loadは全実験期間においてTAK作用群がコントロール群を有意差をもって上回っていた。これらの結果は、組織学的評価とも良く一致して、TAK-778が人工材料の骨結合を促進することを裏付けた。
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