2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト軟骨肉腫におけるNFATp発現の意義および遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
13671506
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上田 孝文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00324773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中瀬 尚長 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00283755)
名井 陽 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10263261)
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
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Keywords | 軟骨肉腫 / 遺伝子治療 / NFATp / 組織特異的プロモーター / II型コラーゲン / チミジンキナーゼ |
Research Abstract |
最近,リンパ球系におけるT細胞レセプターを介したシグナル伝達系の重要な転写調節因子であるNFAT(Nuclear factor of activated T cells)familyのうちのNFATpがadultマウスにおける軟骨形成阻害因子であることがノックアウトマウスを用いた実験で証明され,さらにヒト間葉系幹細胞の軟骨への分化・増殖の際にも抑制因子として作用していることが明らかにされたことから,ヒト軟骨肉腫細胞においてもNFATp遺伝子の異常がその発症・進展に関与している可能性が推測される。そこでまず我々はヒト軟骨肉腫におけるNFATp遺伝子発現の有無を調べる目的で,我々の施設で凍結保存してあるヒト軟骨肉腫10例の腫瘍組織について,NFATpの各エクソン配列を増幅するPCRプライマーを作成しRT-PCR法により,その発現の有無をスクリーニングした。その結果10例全例でNFATpの遺伝子発現が認められた。さらに京都大学整形外科の青山らもヒト軟骨肉腫26例についてNFATpの遺伝子変異を検索し,4箇所7例において塩基置換を認めたもののいずれもsilent mutationあるいは多型性変異と考えられ,本遺伝子の軟骨肉腫における関与は明らかでなかったと報告していることから,ヒト軟骨肉腫においてNFATpは遺伝子治療の標的分子としては適当ではないと判断した。そこで我々は,教室の妻木らがすでにクローニングした軟骨細胞に特異的に発現する11型コラーゲンα2遺伝子(Col11α2)のプロモーター領域とHelpes Simplex Virus Tymidine Kinase(HSV-TK)を挿入したプラスミドベクターを作成し,これをヒト軟骨肉腫細胞株にトランスフェクトして安定発現細胞株を作成中である。今後これらを用いたin vitro, in vivoでの遺伝子治療実験を行う予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Naka, N., et al.: "Expression of SSX genes in human osteosarcomas"Int J Cancer. 98. 640-642 (2002)
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[Publications] Nakanishi, H., et al.: "Clinical implications of serum C-reactive protein levels in malignant fibrous histiocytoma"Int J Cancer. 99. 167-170 (2002)
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[Publications] Obata, H., et al.: "Analysis of organ selectivity in the metastatic behavior of Dunn osteosarcoma"Clin Orthop. 398. 212-222 (2002)
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[Publications] Ueda, T., et al.: "Frequent expression of smooth muscle markers in malignant fibrous histiocytoma of bone"J Clin Pathol. 55. 853-858 (2002)
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[Publications] Yamamoto, T., et al.: "Inhibition of murine osteosarcoma cell proliferation by glucocorticoid"Anticancer Res. 22. 4151-4156 (2002)