2002 Fiscal Year Annual Research Report
筋肉移植における成長因子の解析とその機能回復促進効果
Project/Area Number |
13671513
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
伊原 公一郎 山口大学, 医学部附属病院, 助教授 (90184788)
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Keywords | 筋肉移植 / 成長因子 / 筋衛生細胞 / 再生医学 / 遺伝子解析 / 再神経支配 |
Research Abstract |
平成13年度に作成した筋肉移植モデル(術後1、3、5日、1、2、4、6、8週につき各群2匹ずつ)を作成し、採取・保存した検体について解析を行った。併せて2、4、6週モデルでは屠殺の前に針筋電図を行い筋肉の神経回復について検討した。その結果移植筋(下腿一頭筋)のM波は術後4週モデルから出現しており、本実験モデルにおける神経回復の時期は術後2〜4週であることが分かった。肉眼所見でも術後5週以降に筋萎縮が改善されていた。 次いで各群の検体について組織学的評価(HE染色)、PCNA染色、RT-PCRによるb-FGF遺伝子の解析を行った。 1)組織学的評価:移植翌日には筋衛生細胞の核の増加が認められ、以後核数は徐々に減少し筋線維も萎縮を認めた。術後4週にはさらに筋線維の萎縮が進行していたが、細胞の核数は再び増加していた。6週になると筋線維の肥大が認められた。 2)PCNA染色:術後1日目よりPCNA陽性細胞が出現していた。その後は、術後1週目ころから徐々に陽性細胞が減少する傾向にあったが、5週の時点でも僅かながら認められた。 3)RT-PCR: b-FGFの発現について遺伝子解析を行った。検体各群で多少のバラツキが認められたが、術後1日のモデルにてb-FGFの発現の増加が認められ、以後経時的に減少し術後5週以降に再び増加を示す傾向にあった。 以上の結果を総括すると本実験モデルの移植筋組織においては、当初の予想通り筋衛生細胞の増加が術後早期より認められ術後5週の時点まで漸減しながらも継続していることが判明した。またb-FGFの継時的変化については明らかな一定の傾向は認められなかったが、術後早期と神経回復時期の2回に亘って二峰性に増加する傾向を示した。 以上の結果については第29回日本マイクロサージャリー学会(沖縄、宜野湾市)において発表した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Merida L, Shigetomi M, Ihara K, et al.: "Effects of vitamin D analog, 22-oxa-1,25-dihydroxyvitamin D(3), on bone reconstruction by vascularized bone allograft"Bone. 30.2. 422-427 (2002)
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[Publications] Ohno T, Shigetomi M, Ihara K, et al.: "Effects of cerivastatin on vascularized allogemc bone transplantation in rats treated with cvclosuorine a"Calcif Tissue Int. 72.1. 50-56 (2003)
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[Publications] Ihara K, Shigetomi M, Muramatsu K, et al.: "Pedicle or free musculocutaneous flaps for shoulder defects after oncological resection"Ann Plast Surg. 50(in press). (2003)