2002 Fiscal Year Annual Research Report
血管柄付き骨膜と自家培養人工骨を用いたハイブリッドボーンの作製
Project/Area Number |
13671535
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
矢島 弘嗣 奈良県立医科大学, 整形外科学, 助教授 (20221640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畠 康宣 奈良県立医科大学, 整形外科学, 助手 (30347554)
吉川 隆章 奈良県立医科大学, 病理学, 講師 (90275347)
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Keywords | 骨膜 / 骨形成能 / 血管柄付き骨移植 / ハイドロキシアパタイト / 人工骨 |
Research Abstract |
昨年度はハイドロキシアパタイト(HA)を血管柄付き骨膜で包埋するラットモデルを作製し、その良好な骨形成能を確認した。 本年はさらにHAに代わる良好な骨形成能を持った担体の調査、および培養細胞の骨形成能についての実験的研究を行った。まず骨誘導能を持つ物質としてはHAの他にβ-TCPがあり、これを用いてラットの伏在動静脈を血管柄として挙上した血管柄付き骨膜に包埋し腹壁皮下へ移植した。またコントロールとして筋膜を用いたものを同様に作製した。1,2,4週にて各群5個の検体を採取し、ALPおよびosteocalcinによる生化学的定量評価を行つた。結果は骨膜群でALPは1w:9.04、2w:7.72、4w:8.91(各平均値,μmol/30min/implant)、osteocalcinは1w:2455、2w:3454、4w:4921(平均値,ng/mplant)と、ALP、osteocalcinともにほぼ0であった筋膜群と比べ良好な骨形成が見られた。これは昨年度行つたHAによるものと比較すると若干の低値であつた。 次に培養細胞の骨形性能を調べる目的にてHA,β-TCP、コラーゲンアパタイト複合体(コラグラフト:Zimmer社製)をもちいて実験を行った。Fisher344ラットを用いて、両側大腿骨より骨髄を採取しT75フラスコにて骨髄中に含まれる間葉系肝細胞を約10日間初期培養し増殖させる。次にトリプシン処理により培養細胞をフラスコより回収し1X10^6/mlの細胞浮遊液を作製した。これをそれぞれの担体に含浸させ、さらに2週間骨形成培地にて培養を行った。この検体についてALP活性の測定を施行した。結果はHA:1.35、β-TCP:0.94、コラーゲンアパタイト複合体:5.56(平均値、μmol/30min/implant)とコラーゲンアパタイト複合体が担体(細胞の足場)として非常に優れているこどが判明した。 次年度は同様の実験をコラーゲンアパタイト複合体を中心に骨膜および培養細胞をもちいて研究を進める予定である。
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