2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経因性疼痛発現におけるc-fos遺伝子の役割の解明
Project/Area Number |
13671569
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
樫本 温 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (60152633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯嶋 哲也 山梨医科大学, 医学部, 助手 (70324209)
小口 健史 山梨医科大学, 医学部, 講師 (60201399)
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Keywords | 神経因性疼痛 / c-fos / neurosphere |
Research Abstract |
これまで、遺伝子変異マウスの導入を目的に、Std : ddyマウスを主な実験対象として、より効率の高い神経因性落痛モデルの作成およびモデルマウスにおける脊髄組織の変化を免疫組織学に検討してきた。本年度後半に予定していたc-fos遺伝子欠損マウスの導入が、購入先であった米国を含む国際運輸情勢の悪化により不可能になり、c-fos遺伝子欠損マウスでの神経因性癖痛の検討には至らなかった。 坐骨神経部分結紮を行ったStd : ddyマウスにおいてpaw withdrawalの潜時を測定することでthermal hyperalgesiaを、von Freyフィラメントを用いてmechanical hypcmlgesiaをそれぞれ行動学的に落痛評価を行った。従来の報告どおり免疫組織学的な検討を行うことにより脊髄後角I層を中心に介在ニューロンの細胞核にc-Fos蛋白が発現すること確認している。また、これまでヒト由来のA431細胞を用いて免疫組織学的検討の際に必要となるc-Fos抗体の陽性対照とできるかどうかの検討を行ってきた。今年度は、この培養細胞に加えて、坐骨神経切断による疼痛刺激を加えたマウス脊髄のc-Fos陽性細胞の発現を陽性対照とすることについての可能性を現在検討中である。 本年度予算で購入した培養器を用いて、培養神経細胞におけるc-fos遺伝子の検討も個体レベルでの検討とあわせて進行中である。神経幹細胞が、成体脊髄中にも存在するとの報告(YamamotoほかExp Ncurol 2001 ; 172 : 115-127)がなされている。成体動物脊髄からとりだした細胞由来のncurosphcrcを用いて、脊髄内の神経幹細胞が神経因性癖痛発現にいたる可塑的な脊髄神経細胞の変化においてなんらかの役割を果たしているのではないかとの仮説をもとに、c-fos遺伝子との関連性と併せて検討中である。
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