2001 Fiscal Year Annual Research Report
大動脈遮断・解除に伴う脳・脊髄微小循環の変動とそのメカニズム
Project/Area Number |
13671570
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
飯田 宏樹 岐阜大学, 医学部, 助教授 (30159561)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土肥 修司 岐阜大学, 医学部, 教授 (40155627)
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Keywords | 大動脈遮断 / 解除 / 脳 / 脊髄 / 微小循環 / メカニズム / トロンボキサンA2受容体 |
Research Abstract |
本年は、生体顕微鏡下に脳軟膜血管をin vivoの状態で直接観察する手技によって,大動脈遮断・解除に伴う脳微小循環障害を検討し,その微小循環の変化のメカニズムを解明することを目的とした。 (1)大動脈遮断・解除による脳微小循環の変化を検討した。 日本白色ウサギを対象として,ペントバルビタールの静脈内投与で麻酔を維持し、気管切開後酸素加空気にて動物用人工呼吸器を用いて,終末呼気炭酸ガス分圧を35〜40mmHgに保つように調節呼吸を行った。脳軟膜血管を直接観察するために,頭頂骨上に開頭を行い,硬膜とクモ膜を切開反転させ,スライドグラス付きリングを骨蝋と骨セメントを用いて密着させ,脳脊髄液の漏れをなくし、頭窓(window)を作製した。Window内は人工髄液で灌流し,その内圧を7cmH_2Oに調節した。Window下にある血管を生体顕微鏡で拡大し,各々の血管径を測定した。大動脈遮断を腎動脈分岐部直下において行い,20分遮断の後再灌流を行い脳微小循環に与える影響を観察した。脳細動脈は大動脈遮断においては明らかな変化を示さなかったが、大動脈遮断解除後一過性に拡張した後、遮断5分後から脳細動脈は収縮し遮断解除後60分においても有意な脳血管収縮を示した。 (2)大動脈遮断・解除に伴う脳血管に与える影響のメカニズムの検討をした。 (1)の実験と同様のモデルにおいて、トロンボキサンA2受容体拮抗薬であるセラトロダストを人工髄液に溶解して(10^<-6>M、10^<-7>M)灌流し人工髄液単独の結果と比較検討することによってその微小循環に与える影響のトロンボキサンA2受容体の関与について評価した。セラトロダストは両濃度において用量依存性に遮断解除後の脳血管収縮を減弱させたことから、この脳血管収縮の機序に少なくとも一部トロンボキサンA2受容体が関与していることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hiroki Iida et al.: "The Effects of Alpha-Human Atrial Natriuretic Peptide and Milrinone on Pial Vessels During Blood-Brain Barrier Disruption in Rabbits"Anesth Analg. 93. 177-182 (2001)
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[Publications] Hiroto Ohata et al.: "The Effects of Topical and Intravenous Ketamine on Cerebral Arterides in Dogs Receiving Penlobarbital or Isoflurane Anesthesia"Anesth Analg. 93. 697-702 (2001)
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[Publications] Hiroki Iida et al.: "The Differential Effects of Stereoisomers of Ropivacaine and Bupivacaine on Cerebral Pial Arterioles in Dogs"Anesth Analg. 93. 1552-1556 (2001)
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[Publications] Kiyoshi Nagase et al.: "Kefamine, Not Propofol, Attenuates Cerebrouascular Response to Carbon Dioxide in Humans With Isoflurane Anesthesia"J Clin Anesth. 13. 551-555 (2001)