2001 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧における遺伝子発現プロファイル解析による病態分子機構の解明
Project/Area Number |
13671573
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
天野 誉 三重大学, 医学部・附属病院, 助手 (90231993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 利男 三重大学, 医学部, 教授 (00135443)
丸山 一男 三重大学, 医学部, 教授 (20181828)
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Keywords | 低酵素 / 肺高血圧 / cDNAマイクロアレイ |
Research Abstract |
低酸素性肺高血圧モデルラットは、ヒト肺高血圧の病態に酷似した組織変化を示すことが知られている。この病態の経時的変化を解析するために、曝露期間を1,3,7日間に設定した低酸素曝露による肺高血圧ラットを作製して、マイクロアレイ法により遺伝子発現変化を解析した。以前我々はディファレンシャルディスプレイ法を用いて、低酸素性肺高血圧モデルラットにおいて、病態の初期に発現量の変化する遺伝子群をクローニングしたが、今回さらに、S100ファミリー遺伝子群を追加し、マイクロアレイ法のプローブとして用いた。DNAマイクロアレイ法は、スライドグラス上に多数の異なったプローブcDNAを高密度に張り付けたDNAチップを作製し、そこに蛍光標識したターゲットcDNAをハイブリダイズさせ、レーザー照射による蛍光強度を数値化し、ターゲット遺伝子の発現変化を解析する方法である。まずすでにクローニングされている各遺伝子をPCR法により増幅、濃縮したcDNAを、Genetic Micro Systems社製のGMS417 Arrayerにてスライドガラス上に配置しDNAチップを作製した。低酸素曝露による肺高血圧ラットと対照群の肺組織からmRNAを抽出し、蛍光標識ヌクレオチドを含んだ溶液中で逆転写を行い、ハイブリダイズ用ターゲットcDNAを作製した。以上の、DNAチップとターゲットcDNAより得られたデータより、ターゲット遺伝子の発現を数値化し、発現比を求め比較した。発現の増大、または減少している遺伝子の配列をシークエンスし、遺伝子データベース(NCBI BLAST)で検索した。現在は、マイクロアレイ法で増減した遺伝子発現を、RT-PCR法など他の方法で、さらに検証中である。
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