2002 Fiscal Year Annual Research Report
オピオイド耐性および依存の脊髄レベル発現機序に対する脊髄液微小透析法による追求
Project/Area Number |
13671597
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
益山 隆志 鹿児島大学, 医学部附属病院, 講師 (10190373)
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Keywords | オピオイド / 依存 / 耐性 / 脊髄 / 微小透析 / 神経伝達物質 |
Research Abstract |
本年度の研究実績 1.モルヒネの脊髄くも膜下腔持続投与による耐性発現 浸透圧ポンプを用いたモルヒネ脊髄くも膜下持続投与による鎮痛効果における耐性発現を調べた。熱刺激試験による鎮痛効果測定では,持続投与開始後24時間で最も強い鎮痛効果が得られたが,48時間,72時間では減弱し耐性を生じた。鎮痛効果に反し,ナロキソン投与(強制退薬)による身体依存発現は弱かった。 2.モルヒネの全身投与における依存性発現 モルヒネを持続皮下投与し,鎮痛効果とナロキソン投与による身体的依存の発現を調べた。モルヒネのくも膜下投与に比べ鎮痛効果は弱かったものの,ナロキソン投与によるallodynia, teeth chatteringなどの退薬症状は顕著に出現した。モルヒネの身体的依存発現に脊髄より上位中枢の関与が示唆された。 3.モルヒネのくも膜下持続投与,ナロキソン投与による脊髄アミノ酸遊離量の変動 ナロキソンをモルヒネ投与開始後24,48,72時間に腹腔内投与した。投与直前(基礎値)のくも膜下微小透析で,グルタミン酸は経日的に上昇した。ナロキソン投与による強制退薬で,さらに軽度のグルタミン酸,アスパラギン酸の脊髄遊離量の増加を示したが,これはタウリンで顕著だった。 4.モルヒネのくも膜下繰り返し投与による急性耐性モデルにおける脊髄アミノ酸遊離の変動 モルヒネの1時間毎6回投与で急性耐性と伴に,グルタミン酸遊離は有意に増加し,上記同様グルタミン酸受容体賦活の耐性への関与が考えられた。アデノシンの遊離は個体差が大きく,測定上の問題も疑われた。
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