2001 Fiscal Year Annual Research Report
細菌DNACpG motifに対する抑制性塩基配列の効果-SIRS治療の基礎的研究-
Project/Area Number |
13671602
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
安部 洋一郎 横浜市立大学, 医学部, 助手 (50295490)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 高志 横浜市立大学, 医学部・付属病院, 助手 (40326038)
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Keywords | CpG motif / 肺 / 炎症反応 / ARDS / SIRS / IL-6 / IL-12 / interferon-gamma |
Research Abstract |
現在までに、細菌の構成成分のうちバクテリアDNAもまたlipopolysaccharide同様炎症反応をおこすこと、哺乳類の免疫担当細胞はバクテリアDNAに高頻度に存在するCpG motifとよばれる特定の6塩基配列を認識すること、バクテリアDNAがseptic shockなどの原因物質の1つであることが報告されている。本研究はCpGmotifによる炎症反応を抑制する方法を見いだし、その特性を検討し、最終的にはSIRSを含めCpG motifによる炎症性疾患の新たな治療法を確立しようとするものである。 まず、ほ乳類のDNAも低頻度ではあるがバクテリアDNAと同様にCpG motifをもつにもかかわらず、ほ乳類のDNAは炎症反応を起こさないことから、ほ乳類のDNAにはCpGによる反応を抑制する塩基配列が含まれていると仮定し、研究をはじめた。ほ乳類DNAは、マウスマクロファージcell lineであるRAW cellおよびヒト末血のマクロファージにおいて、バクテリアDNAによるIL-6,IL-12産生を用量依存性に抑制した。ほ乳類DNAは、CpG motifを含む合成した短塩基oligodeoxynucleotide(CpG ODN)による炎症反応も抑制し、ほ乳類DNAがCpG motifによる炎症反応を抑制することが明らかになった。 次いでほ乳類DNAに現れるどんな塩基配列がCpG motifによる炎症反応を抑制するのか検討した。数百のoligodeoxynucleotideをテストし、これをほ乳類のDNAのなかでもCpG motifの集まっている場所;CpG islandの上流のシークエンスと比較検討した。これに基づきCpG motifによる炎症反応を抑制する塩基配列suppressive ODN(ODNsup)を設計した。ODNsupは、ほ乳類DNAと同様に用量依存性にバクテリアDNAおよびCpG ODNによるIL-6,IL-12,IFN-gamma 産生、表面マーカーの発現を抑制した。 今後ODNsupの作用についてさらに研究を進めていく。
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