2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671606
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
川口 昌彦 奈良県立医科大学, 医学部・麻酔蘇生学, 講師 (60275328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古家 仁 奈良県立医科大学, 医学部・麻酔蘇生学, 教授 (70183598)
井上 聡己 奈良県立医科大学, 医学部・麻酔蘇生学, 助手 (50295789)
坂本 尚典 奈良県立医科大学, 医学部・麻酔蘇生学, 講師 (40275334)
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Keywords | 脊椎虚血 / ラット / 細胞死 / 神経保護 |
Research Abstract |
ラット脊髄虚血モデルを用いて脊髄虚血後の運動機能及び組織学的予後について検討した。脊髄虚血は大腿動脈より下行大動脈にフォガティーカテーテルを挿入し、また中枢側の血圧を脱血により40mmHgに調節した。虚血時間は6,8,10分と再還流後2、7、14日目に評価した。いずれの評価時期においても虚血時間が長いほど障害の程度は大きかった。運動機能および組織学的変化は再還流後2日で最も悪化しており、経過とともに改善した。しかし、再還流後7、14日目においても少量の破死細胞は存在しており、運動機能への影響は少ないものの細胞死は少なくとも14日間は継続していることが示唆された。TUNEL染色の結果では、TUNEL陽性細胞は再還流2日後に最大となり、以後低下した。電子顕微鏡での検討でも再還流後2日日では形態学的にアポトーシスを示唆する細胞が同定された。少なくとも虚血後早期の細胞死にはアポトーシスが関与していることが示唆された。 脊髄虚血後の運動機能及び神経細胞死に対するδオピオイドアゴニストであるSNC80の効果を検討した。SNC80は9分または11分の脊髄虚血の15分前にくも膜下投与した。くも膜下カテーテルは虚血4-7日前にあらかじめ挿入し、神経学的異常がないことを確認した。結果、SNC80は9分、11分虚血後の組織学的神経細胞死を有意に抑制した。ただし、運動機能については、9分虚血にのみ有効であった。以上よりδオピオイドアゴニストによるpreconditionalが特に軽度の虚血に有効であることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Sakamoto T, Kawaguchi H, Kurita N, et al.: "Long-ferw assessment of hind limb motor function and neuronal injury spinal cord ischemia in rats"Journal of Neurosurgnal Ares physiology. (in press). (2003)