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2002 Fiscal Year Annual Research Report

敗血症モデル肺におけるアドレノメデュリンの病態生理学的意義

Research Project

Project/Area Number 13671624
Research InstitutionHyogo College of Medicine

Principal Investigator

岡野 紫 (小野 紫)  兵庫医科大学, 医学部, 助手 (30312002)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 寒川 賢治  国立循環器病センター, 研究所, 部長 (00112417)
岡野 一郎  国立循環器病センター, 研究所, 室員 (30300974)
奥谷 龍  兵庫医科大学, 医学部, 助手 (90204122)
太城 力良  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20107048)
Keywordsアドレノメデュリン / 敗血症モデル / 受容体 / 肺
Research Abstract

アドレノメデュリン(AM)は、リポポリサッカライド(LPS)や、TNF-α、IL-1βによって誘導され、敗血症患者の血中AM濃度は健常人の数十倍に至ることが知られている。AMは、非常に強い降圧作用を持つことから、敗血症における低血圧性ショックを惹起する一因である可能性が示唆され、一方で、AM投与モデルや過剰のAM発現を誘導したトランスジェニックマウスでは、AMが、肝臓などの主要臓器血流量を増加させ、かつそれらの臓器のうっ血を阻止し、臓器保護作用を持つ可能性も報告されている。このように、AMの敗血症での病態生理学的意義は、未だ混沌としており、治療への展開も含めて広く詳細に解析を行う必要性がある。
申請者は、まずイヌ敗血症モデルにおけるAM遺伝子の発現変化を臓器、血管を主体に検討した。さらに、マウスにおいてAM受容体構成因子であるCRLR (calcitonin receptor-like receptor)およびRAMP (receptor activity modifying protein) familyの遺伝子発現を検討した。AMの受容体は、核となる7回膜貫通蛋白であるCRLRに、1回膜貫通蛋白であるRAMP 2またはRAMP 3のいずれかが共発現して形成される。すなわちAMの受容体には2つのサブタイプが存在する。マウス敗血症モデルにおいて、これらAM受容体構成物質の遺伝子発現が、臓器特異的に大きく変化することが明らかとなった。これらの研究から、AMおよびAM受容体は、敗血症モデルから摘出した肺において、下記のような変化を示す可能性が示唆された。肺は、血中AMのクリアランスを担う臓器であり、また敗血症モデルでは、AMの産生増加臓器の一つとして知られている。
1、CRLR、RAMP 2遺伝子の経時的減少およびRAMP 3遺伝子の経時的増加を認め、受容体サブタイプの転換の可能性が示唆された。
2、肺膜分画のAM結合サイト数は、病態前期に著明な減少を認めたが、後期には変化を認めなかった。
3、肺に特異的な現象として、動脈血酸素分圧を上昇させることで、AM遺伝子の発現レベルは減少した。
以上のように、肺では、AMおよびAM受容体の遺伝子発現変化も明らかとなった。肺は、AMのクリアランス臓器であるとともに、AMの気管支拡張作用や肺血管拡張作用などの標的臓器でもある。この多様性は、複数の受容体サブタイプの存在による。正常肺に多数存在するAM受容体は、AMのクリアランスを担い、敗血症での減少は、血中AM濃度の上昇を助長すると考えられる。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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