2001 Fiscal Year Annual Research Report
環境因子による男性生殖機能障害における遺伝的要因の分子生物学的解明
Project/Area Number |
13671649
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 新吾 京都大学, 医学研究科, 講師 (80322741)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸井 誠二 京都大学, 医学研究科, 助手 (50314191)
西山 博之 京都大学, 医学研究科, 助手 (20324642)
小川 修 京都大学, 医学研究科, 教授 (90260611)
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Keywords | 環境因子 / 男性生殖機能障害 / 遺伝的要因 |
Research Abstract |
(目的)本研究では内分泌撹乱物質、喫煙、温度ストレスのような環境因子が男性生殖機能に及ぼす機構を明らかにする為、患者側の遺伝的要因を明らかにすることを目的としている。glutathione S-transferases(GSTs)は多くの化学物質やステロイドホルモンの代謝に関係しており、その遺伝子多型が酵素活性に影響を及ぼすといわれている。GSTsは精巣にも発現しており、精子形成過程にも重要な役割を果たしている。そこでまず、われわれは男性不妊症患者を原因別に分類し、GSTT1・M1の遺伝子多型を検討した。(対象と方法)当院外来を受診した男性不妊症患者で同意を得た症例137例(精索静脈瘤39例、特発性造精機能障害65例、閉塞性無精子症および正常精液所見者33例)を対象とした。対照には男性不妊を主訴としない外来受診患者281例を用いた。各々の末梢血白血球より抽出したDNAにMultiplex PCRを行いGSTT1(+)とGSTT1 nullおよびGSTM1(+)とGSTM1 nullを判定した。(結果)GSTT1の多型の頻度については各群間での有為な差を認めなかった。またGSTM1(+)の頻度は、対照群(49.4%)に対し閉塞性無精子症および正常精液所見者(48.5%)、精索静脈瘤(41.0%)で有為差を認めなかった。しかし特発性造精機能障害では34.9%と低い傾向(p<0.1)を示した。(結論)特発性造精機能障害ではGSTMlの遺伝子多型が関与する可能性が示唆された。今後は症例数を増やすとともに、他のステロイド代謝や薬剤代謝に関与する遺伝子多型の男性生殖機能障害との関係を明らかにしていく予定である。
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