2001 Fiscal Year Annual Research Report
膀胱粘膜再構築培養モデルでの癌浸潤における血管新生の証明
Project/Area Number |
13671657
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
藤山 千里 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (80209113)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 常宏 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (70315208)
真崎 善二郎 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40038716)
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Keywords | 細胞培養 / 膀胱癌 / 尿路上皮 / 新生血管 / コラーゲン / 血管内皮細胞 / 線維芽細胞 / 血管内皮細胞増殖因子 |
Research Abstract |
平成13年度は、in vitro膀胱粘膜再構築培養法で膀胱癌細胞を三次元的に培養した。 ブタ膀胱から得られた線維芽細胞をコラーゲンゲルの中に包埋する方法で粘膜固有層を再構築した。この培養粘膜固有層上で、ヒト膀胱癌株(HT-1197,RT-4,T24)細胞を通常の単層培養を行ない、培養7日目、14日目にホルマリン固定をして通常の組織学的観察を行った。結果は、HT-1197細胞は再構築した粘膜固有層に数mmの深さまで浸潤増殖していた。それに対して、RT-4、T24細胞は粘膜固有層の上に数層に配列して増殖していたが、コラーゲンゲル内すなわち粘膜固有層へは浸潤しなかった。現在、癌細胞を識別できるサイトケラチン抗体を用いて免疫組織化学染色で確認している。今後は基底膜の破壊酵素であるurokinase Plasminogen activatorやmatrix metalloproteaseの発現を調べる。 次に再構築培養法で血管内皮細胞がどのような増殖分化を示すか調べる目的で、ヒト血管内皮の細胞株であるHUVEC、LME、MVE細胞の培養を行った。いずれも正常細胞なので増殖率が低く、三次元培養法に用いるまでの細胞数が得られるような培養法を確立中である。初期実験としては、癌浸潤増殖に血管新生の関与がin vitro上で組織学的に証明する目的で線維芽細胞と血管内皮細胞をコラーゲンゲルに包埋して粘膜再構築培養を行った。結果は血管内皮細胞が少なく、線維芽細胞だけの培養条件時と同様で変化はみられなかった。 また、癌細胞株による浸潤性の有無が、血管内皮細胞増殖因子の分泌能と関連があるかどうか調べる目的で、現在各膀胱癌細胞の培養液中のVEGF分泌量を測定している。また、蛋白分解酵素溶液を作成し、この溶液で各膀胱癌株細胞をhomogenizeして蛋白を抽出した。この蛋白を利用してHif-1αの発現をWestern blotting法で同定する予定である。
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