2002 Fiscal Year Annual Research Report
精原幹細胞の増殖因子の探求(精原細胞移植法および培養下での検討)
Project/Area Number |
13671663
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Research Institution | YOKOHAMA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小川 毅彦 横浜市立大学, 医学部附属病院, 講師 (50254222)
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Keywords | 精子形成 / 精原細胞 / 幹細胞 |
Research Abstract |
1)未熟マウスを用いた精原幹細胞の自己増殖能の検討 精原細胞移植による精原幹細胞の増殖解析の結果から、その自己複製増殖は緩序ながら長期にわたり安定していることがこれまでに判った。本研究では宿主マウスに生後8-20日齢の未成熟マウスを用いて精原幹細胞をより急激に増殖させることを試みた。未成熟マウス精巣内の自己生殖細胞を除去するためまず局所放射線照射を行い、その後にドナーマウス(GFPトランスジェニックマウス)の精巣細胞を注入移植した。精子形成の広がりを1-2ヶ月後に検討した結果、精巣の50%以上におよぶ広範囲でドナーマウスの精子形成が観察された。さらに雌マウスと自然交配させ宿主マウスがドナー由来の妊孕性をもつことも確認された。成熟マウスを宿主とした場合は移植後に妊孕性を獲得することは非常に稀であることからも未成熟マウス精巣内において精原幹細胞が急激も増殖することが示された。 2)精原幹細胞の培養 精原幹細胞の培養で一番の課題は、その同定・検定であると考える。我々は未成熟マウスを宿主とした精原細胞移植による解析を行った。GFPマウス精巣から採取した細胞を一定期間(1〜2週間)培養後に回収し、未成熟マウス精巣内に移植して精原幹細胞の有無を検討した。培養条件はfeeder cell (STO細胞、15P-1細胞)を用いたもの、ラミニンやコラーゲンがcoatingしてある培養ディシュを用いたもの、基底膜器質であるマトリゲルマトリックスを用いたもの、等の試みを行った。これまでの結果からはマトリゲルマトリックス上で培養した精巣細胞に精原幹細胞が存在していることが示された。
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[Publications] Udagawa K, Ogawa T, et al.: "GnRH analogue, leuprorelin acetate, promotes regeneration of rat spermatogenesis after severe chemical damage"Int J Urol. 8・11. 615-622 (2001)
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[Publications] Udagawa K, Ogawa T, et al.: "Recovery of Spermatogenesis by High dose gonadotropin-releasing hormone analogue treatment in rat cryptorchid testis after orchiopexy"J Urol. 168・3. 1279-1283 (2002)
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[Publications] Ogawa T, et al.: "Expansion of Murine Spermatogonial Stem Cells through Serial Transplantation"Biol Reprod. 68・1. 316-322 (2003)
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[Publications] Ohmura M, Ogawa T, et al.: "Increment of Murine Spermatogonial Cell Number by Gonadotropin-Releasing Hormone Analogue Is Independent of Stem Cell Factor -c-kit signal"Biol Reprod. (in press).