2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13671666
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
杉村 一誠 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (90187659)
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Keywords | のう胞腎 / PKD / 硫酸転移酵素 / DPT |
Research Abstract |
2-amino-4,5-diphenylthiazole(DTP)を飼料中に1%混合して継続投与することによって、ラットで嚢胞腎が誘発される。このモデルの腎において早期に発現が変化する遺伝子をdifferential display(DD)法にて検出した。 DPT投与開始後4日目に腎を摘出、total RNAの抽出、逆転写、oligo(dT)primerとarbitary primersによるPCRを行い、電気泳動にてバンドを比較した。DDで差の出た3本のバンドのうち、ひとつで発現の変化がノーザンブロットで確認できたので、これをプローブとしてマウス腎cDNAライブラリーをスクリーニングした。約30万個のプラーク・スクリーニングから12個の陽性クローンをとり、最長の2クローンで塩基配列を決定した。クローニングした1482bpのcDNAは296個のアミノ酸をコードするopen reading frameを含み、硫酸転移酵素sulfotransferaseのひとつとして報告されているラットSULT1C2とアミノ酸レベルで94.3%と高い相同性を示し,SULT1C2のマウス型と考えられた。この遺伝子は、正常マウス臓器中では腎、ついで胃で特異的に発現しており,他の臓器では発現がほとんど認められなかった。腎におけるSULT1C2のmRNAの発現は、DPT投与翌日から低下し,2週間後も低下したままであった。 生体内での生理的基質および機能は明らかではないが、細胞膜や基底膜の構成成分プロテオグリカン等の硫酸基の付加に関わっている可能性が考えられる。
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