分子生物学手法を用いた残存膀胱機能評価と前立腺肥大症手術の至適時期に関する研究

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13671681
• Research Institution: Kinki University
• Principal Investigator: 大西 規夫 近畿大学, 医学部, 講師 (10213802)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 吉岡 伸浩 近畿大学, 医学部・附属病院, 助手 (50330288) ; 花井 禎 近畿大学, 医学部・附属病院, 助手 (00288911) ; 松本 成史 近畿大学, 医学部, 助手 (10288912) ; 山本 和彦 近畿大学, 医学部, 助手 (00166787)
• Keywords: 前立腺肥大症 / 残存膀胱機能評価 / 至適治療法

Research Abstract

平成13年度は実験的閉塞膀胱の経時的膀胱平滑筋収縮能とクエン酸合成酵素活性の変化について検討を行う計画であったが、まずその予備実験として、家兎より取り扱いが容易なラットを用いた閉塞膀胱の経時的膀胱残存機能と、利尿や活性酸素などが膀胱収縮能に与える影響について摘出膀胱から神経-筋標本を作製し、マグヌス法により経壁電気刺激(EFS)、カルバコールおよびKClに対する残存収縮力の検討を行った。その結果、利尿は閉塞後の膀胱においても収縮障害を保護・緩和する傾向を示した。一方、フリーラジカルや活性酸素は膀胱平滑筋よりもむしろ膀胱周囲血管の平滑筋に攣縮をもたらし、さらに膀胱の虚血を悪化させて残存膀胱収縮能を低下させることが判明した。このフリーラジカルや活性酸素による収縮障害はカタラーゼやマニトールなどのスカベンジヤーのほか、高容量のビタミンEの前投与も収縮障害抑制作用を有すことが見出された。今後、針生検組織を用いた臨床応用を前提とし、予定通り、実験的閉塞膀胱の経時的なクエン酸合成酵素活性の変化について検討を行う予定である。